叔父のお通夜に現れた見知らぬ女性
突然、脳梗塞で叔父が倒れたと連絡をもらってから半年も経たないうちに叔父が亡くなりました。子どもが好きだった叔父は、私が幼いころ従妹の家に泊まりに行くと必ず遊んでくれる、とてもやさしい素敵な叔父でした。
家族葬でシンプルだけれど温かな雰囲気の中お通夜が執りおこなわれ、親戚中が悲しみに暮れる中、叔母も知らない若い女性が赤ちゃんを抱いて後ろのほうの席で大号泣していました。
「あれ、誰……?」。親戚中がざわつき、「まさか不倫していた!?」などという嫌な憶測も飛び交いましたが、驚きの事実が判明したのです。
泣いていた女性の正体はなんと…!?
従妹と叔母が、その女性にあいさつをするために近寄ってみると……なんと、従妹の会社の後輩だったのです。従妹は会社に訃報を伝えていたので、後輩女性は礼儀を尽くすため通夜に参列してくれたとのことでした。
事前に聞いていなかった従妹と叔母は、ひっそりと参列していたその女性が後輩だと気づかなかったようです。
しかし、叔父と面識もないのになぜ大号泣? その理由を聞いてみたところ、昔から卒業式やお葬式などのお別れに弱く、いつも感情移入して大泣きしてしまうのだとか。叔父と直接関係がある方ではないとわかり、親戚一同は大爆笑!
女性いわく、普段お世話になっている会社の先輩とその家族を少しでも和ませようという思いから、赤ちゃんも一緒に連れてきてくれたそうです。
赤ちゃんがいるとその場がぱっと華やいだり和んだりしますが、今回のように場所や状況によっては変な誤解や憶測を招いてしまうこともあるのだなと思いました。従妹は、「父の通夜に会社の後輩が駆けつけてくれたことはうれしかったけれど、あんなに泣かれたらびっくりするよね!」と今でも笑い話にしています。
著者:小川 朝美/30代女性。2015年男児・2017年男児・2019年女児の育児をしつつ、医療技術職として働くママ。子育て経験談や趣味について執筆するライターとしても活動中。電車大好きな息子たちの健忘禄として鉄道ブログも執筆している。
作画:まっふ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年10月)