突然のお別れ
そんな中、父の病状が悪化。入院を余儀なくされて、3カ月がたちました。私は夫や娘と一緒に父に会いに、毎日病院へ通いました。しかし、兄は一度も見舞いに来ず、私の再三の訴えにも知らん顔。そしてついに父が息を引き取ったのです……。
悲しみの中で兄に連絡すると、落胆しないばかりか、「いろいろ面倒なことはお前に任せる」と葬儀にも出席しないありさまです。私は怒りが収まりませんでしたが、娘から、「伯父さん、おじいちゃんが生きているときに一度会いに行ったみたいだよ」と教えられてビックリ。
そんな殊勝(しゅしょう)な兄ではない、何かあると思っていたのですが……。
兄の主張
数日後。葬儀が無事終わったかと思ったら、兄が弁護士と共に私の家を訪問。父への思いや私への言葉をかけるでもなく、いきなりこう言い放ったのです。
「父さんの遺産3億円は俺のものだ!」
そして、長男である兄に全財産を相続させるという父の遺言書を提示してきました。しかしこの展開は予想済み。私は冷静に、「兄さん、あなたには相続権はないわ」と告げました。
兄は動揺しながらも遺言書の有効性を主張。「俺は正当な法定相続人、長男なんだから当然だろ。お前は法律も知らないのか!」と豪語し続けました。
これを見て!
そこで私は、無言で父が残した映像を披露。そこにはなんと、兄が父を脅迫して遺言書を書かせる姿が録画されていたのです。
弁護士も、「これでは遺言は無効」と判断。兄は「父は俺を愛していた! 俺だって……」と言い訳を続けようとしましたが、遺言書だけでなく、生活費も父を脅したりだましたりして入手していた事実が手紙で明らかになりました。父は、だまされるふりをしてすべてを記録していたのです。
こうして、兄のたくらみは露見し、自らの行動によって相続欠格(相続人の資格がなくなること)に。遺産を当てにして自堕落な生活をし、賭博に熱中して借金まで抱えていた兄は、毎日返済に追われているようです。
それから数カ月後……。私たちは父の誕生日祝いにお墓参りに訪れました。私は、父が大好きだったメロンパンを供えながら、「お父さん、残してくれたものは大切に使うからね」と心の中で感謝を伝えました。遺産はすべて私と夫、娘のためにと、もう一通の遺言書が金庫に保管されてあったのです。さすが父。私たちは生前のやさしい笑顔を思い出しながら、墓前に手を合わせたのでした。
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親不孝者で金目当ての兄の悪行は、見事に暴露されましたね。正に自業自得の結末ではないでしょうか。実は用意周到だったお父さんに感謝ですね。その気持ちをしっかり受け取って、大切に使ってほしいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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