ベビーカーをわざわざ覗き込んで…
その日は平日ということもあり、店内は比較的空いていました。私は娘を乗せたベビーカーを押しながら、久しぶりにゆっくりショッピングを楽しむつもりでした。
ところが、通りすがりにベビーカーを覗かれたり、話しかけられたり……。独身のころには感じたことのない周囲の視線や声かけに、私は少し戸惑ってしまいました。
とはいえ、「かわいいね」「何カ月なの?」「美人さんだね」など、かけられるのはあたたかい言葉ばかりで、嫌な気持ちはしていませんでした。
ところが、50代くらいの店員さんらしき女性が近づいてきて、いきなりかけられた言葉に私は衝撃を受けました。
「わー! 今まで見た赤ちゃんで一番小さい。生まれたてなの? 赤ちゃんってこんなに小さいんだっけ?」
たしかに娘は平均よりも小さく生まれてきて、このときもまだ小柄だったため、店員さんの言っていること自体は間違いではありません。けれど、毎日「ちゃんと大きくなっているかな?」と娘の成長を気にかけていた私にとっては、見ず知らずの人に突然かけられたこの言葉がショックで、思わず泣きそうになってしまったのです。
その日以降も娘を連れて外出すると「小さいね」と声をかけられることがたびたびありました。冷静に考えれば、きっと「かわいい」という気持ちから出た言葉で、誰も悪気はないのだと思います。それでも、子どもの成長を気にしているときには、ふとした言葉が不安を増幅させてしまうことを、身をもって感じました。
この経験を通じて、相手の状況を知らないままかける言葉が、時に傷つけてしまうことがあると実感。だからこそ、「ママがうれしくなる言葉」を意識して伝えていきたいと思うようになりました。
著者:一条零/30代女性・会社員。2021年生まれの女の子のママ。正社員で平日勤務をしながら、ほぼワンオペで子育てに奮闘中。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年11月)
※AI生成画像を使用しています