もともと義父は義母には頭が上がらず、家でも大人しくしていたそうです。しかし、昨年義母が亡くなってから、義父はやりたい放題の生活を始めました。「あと数年で年金がもらえるから」と言って仕事を辞め、昼間はパチンコ、夜は飲み歩きの毎日。義母がいたころの頼りない義父とは別人のようでした。
義父の無心と暴言
義父はすぐに貯金を使い果たし、わが家に来ては「金を貸してくれ!」と玄関先で叫ぶようになりました。「父さん、いい加減にしてくれよ!」と夫が怒りますが、義父のしつこさに根負けし、結局は五千円ほど渡して帰らせる日々です。月に数回、週に2~3回と次第に無心してくる回数が増え、突然の訪問に怯えていました。
そして、許せないのは義父の私への態度です。
「自分の稼ぎじゃねぇくせによぉ! 息子に寄生する無職嫁が!」
暴言を吐く義父に、悔しくて涙が出そうになることもありました。でも、私の心を一番痛めたのは、夫がそんな義父に我慢していることでした。
ついに絶縁宣言へ
限界を迎えた夫は、ついに「もう無理だ。今まで我慢させてごめん。父さんとはもう縁を切るよ」と言い、絶縁を決断しました。「最後にけじめをつけよう」と、私たちは久しぶりに義実家へ向かうことに。
すると義父は「高級寿司を取ってくれるなら家に入れてやる」と条件をつけてきたのです。夫が怒りをこらえつつ注文すると、寿司が届くや否や、義父は私の分を奪い取りました。
「こんな嫁に高級寿司なんて贅沢だ! お前は食べるな!」
私と夫は目の前の光景に呆然としてしまいました。
夫が明かした真実
そんな中、夫は静かに言いました。
「父さん、何言ってるの? 今まで黙っていたけれど、妻は家で働いてるよ」
義父は一瞬、何を言われているのか理解できない様子でした。
「彼女の収入は、俺よりもずっと多いんだ。家事は2人で得意なものを分担してやってる。これが俺たちの夫婦の形なんだよ」
そう、私は在宅で仕事をしており、その収入は夫の給料を大きく超えています。夫が定時で帰宅して家事をこなしてくれるのは、私が働けるようにするため。それが、私たち夫婦の理想のバランスだったのです。
新しい生活、そして新しい命
私が夫より稼いでいるという真実を知った義父は急に態度を変え、「すまなかった。これからは仲良くしようじゃないか」とヘラヘラ笑って謝罪してきましたが、義父の本音を聞いた以上許すことはできませんでした。私たちははっきりと「もう関わりたくない」と告げ、義実家をあとにしました。
その後、私たちは義父に転居先を伝えず、セキュリティのしっかりした隣県のマンションへ引っ越しました。義父の訪問に怯えることのない平穏な日々が訪れたのです。
そして最近、私のおなかに新しい命が宿っていることがわかりました。夫も嬉しそうに「これからは3人で幸せになろう」と言ってくれています。これからは誰にも邪魔されず、家族で穏やかで幸せな家庭を築いていこう――そう強く心に誓いました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。