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「腰が陣痛みたいに痛い!」52歳の母を襲った激痛。泌尿器科で判明した意外な病名と遺伝の可能性

これは、私の母が52歳のときに体験した話です。私は大学を卒業し、新卒で就職した地元の企業に務めていました。その日は遅番で仕事の支度をしているときに、腰をひどく痛がる母から「病院へ連れて行って」とお願いされました。普段は体調をめったに崩さない母を急に襲った激痛の原因とは。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師窪田 徹矢 先生

くぼたクリニック松戸五香院長。獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開業。日本泌尿器科学会専門医・指導医。専門医である泌尿器科および皮膚のトラブル、生活習慣病を含めた内科まで幅広く診察。メディア出演も多数あり、医者YouYuberとしての情報発信もおこなっている。
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腰が激痛!52歳の母が突然痛みに襲われて…

私の母は、親子には上下関係があると思っているタイプ。娘である私に対して、「しなさい」と命令することはあっても、「お願い」をすることはほとんどありません。そして、体調を崩すことが少ない母。家族が発熱したり感染症にかかったりしても、看病をしている母にはうつらないどころか、普段から寝込んでいるところも見たことがないほど。

 

そんな母が、ある朝私に「病院に連れて行ってくれる?」と丁寧にお願いしてきたのです。驚いて理由を尋ねると「腰がものすごく痛いの! 陣痛みたい! 痛い!」と軽くパニック状態。もちろん母が妊娠しているはずもなく、当時出産経験のなかった私は痛みの想像ができず「母は何を言ってるんだ?」の状態でした。

 

しかし、目の前でものすごく痛がる様子と珍しく私に丁寧にお願いをしてきた母に、「ただごとではない」と感じ始めました。すぐに支度をして、自宅から5分ほどのかかりつけ医に車を走らせます。

 

病院に着くまでなんとか自力で歩く母。診察を待つ間耐えきれずに、ベッドを使わせてもらいました。かかりつけの内科医の診察室から出てきた母の手には、泌尿器科の紹介状が握られています。私はそのまま再び泌尿器科まで車で送ることになったのです。

 

泌尿器科で判明した激痛の原因は?

泌尿器科を受診し、検査をする母。医師から告げられた診断名は「尿管結石(にょうかんけっせき)」でした。尿管結石とは、その名の通り尿管に結石ができる病気です。結石が尿管を刺激すると、激しい痛みに襲われることがあります。母の結石は、5mmほどと大きいほうではないようです。鎮痛剤が処方され、しばらく経過観察で結石が自然に出てくるのを待つことになりました。2週間に1度のペースで通院をし、経過を観察していたのですが、なかなか結石は出てきてくれません。

 

通院していた泌尿器科には予約制度がなく、いつも混んでいます。毎度通院のたびに2時間前後の待ち時間で、半日予定がつぶれてしまうのに耐えかねた母は、何か方法はないかと病院側に打診しました。担当医師とも話を重ねた母は、近くの市立病院で体外衝撃波結石破砕(ESWL)の手術を受けることに。

 

体外衝撃波結石破砕とは、体の外から衝撃波を当てて結石を細かく粉砕することで尿と一緒に排出しやすくするというものです。外科手術をしないため、体への負担も少なく、入院は1泊で済みます。しかし、医師から「結石を確実に砕けるわけではない」と説明がありました。というのも、結石があると思われる場所に衝撃波を当てるので、確実に粉砕できるとは限らないそうです。

 

しかし、運よく1回で母の体内にある結石は粉砕され、手術後の経過も良好。何度か通院をしてエコーで結石の様子を観察し、無事出きったことが確認できました。

 

 

まさか私も他人事じゃないなんて…

母の病気から8年。先日、尿管結石について母と話していると「実は、私の弟(叔父)もよく尿管結石にかかっていて、2回救急車で運ばれているんだよね」と教えてくれました。さらに、尿管結石で通院していた泌尿器科の先生から「尿管結石は、遺伝的な原因もある」と言われていたことも知りました。「他人事じゃないかも……?」と私は衝撃を受けます。

 

母は医師から、尿管結石を予防するために、水分をたくさんとるよう勧められました。母も私も大のコーヒー好き。喉が渇くと水やお茶よりもコーヒーを飲むことが多いです。特に私は、振り返ると1日中コーヒーしか飲んでいなかったという日もあるほど。当時、出産経験がなかった私も、3人の子を産んだ今なら陣痛の痛みがわかります。「赤ちゃんに会えないのにあの痛みに耐えるのは無理!」と、母と一緒にコーヒーばかり飲む生活習慣の見直しを決意しました。

 

また、こまめな水分補給のほかにも、肉料理などの動物性たんぱく質をとりすぎないことと、適度な運動を勧められました。血縁関係のある身内に尿管結石の患者がいる人は、食事や運動の見直しや水分補給をしっかりすることをおすすめだそうです。

 

まとめ

病気の痛みランキングで上位に入ることの多い尿管結石。母は、腰に来る痛みや不定期に訪れる痛みの波に陣痛を思い出したそうです。遺伝的な原因に、水分量や運動量の低下などの要因が合わさったのかもしれません。

 

というのも、ちょうど末娘である私が22歳で大学を卒業し、そのタイミングで母もパートとして働いていたホームセンターの仕事を辞めたことで運動量が減っていたのです。生活習慣に大きな変化があったときには、特に体調に気を付けなければいけないと実感した出来事でした。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

著者:村上 もも/30代・ライター。2019年生まれの繊細ガール(HSC)と2021年生まれの単純ボーイ、2024年生まれのニコニコボーイの3人育児に奮闘中のママ。アクティブに遊ぶのも好きだけど、ひとりの時間は必須! 実父母と敷地内同居中。

イラスト/山口がたこ

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年11月)

 

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