義妹同伴の新婚旅行
そんな夫からとんでもない爆弾を落とされたのは、新婚旅行当日。空港へ向かうタクシーの中で「妹たちも一緒に連れていくから!」と告げられました。
海外旅行に行ったことがない義妹を連れて行ってあげたいのだと言い、旅費は私たちが出すことになっているよう……。マイホームの貯金から勝手に払っていたのです。
「家族のためだしいいじゃん」と言う夫に、私は怒りで震えましたが、新婚旅行は私が昔から行きたかった場所。ここで怒りを爆発させて、現地に行けなくなるのは嫌でした。
空港に着くと、嬉しそうな顔をした義妹たちが待っていました。新婚旅行についてくるなんて、なんて非常識なのだろうという気持ちを隠し、本当についてくるのか? と聞くと、「私たちが来たら迷惑なのか!?」と逆ギレ。
迷惑なのは言うまでもなく、私は心配して声をかけただけなのですが……。
私は、夫と義妹親子を引き連れて、ある熱い国への旅へと出かけました。
とんだ海外旅行に絶叫!
私が新婚旅行の行き先に選んだ場所は、まだ開発途中のエリアで道がガタガタです。車の振動がひどく車酔いした上、リゾート感満載のサンダルを履いてきた義妹は、ただ歩くだけでもひと苦労。
虫もたくさんいて、都会育ちの双子の子どもは、泣き叫んでいました。
しかし今すぐ帰りたいと言われても、そう簡単に帰れる立地ではありません。過酷な環境の中で耐えるしかないのです。
宿泊先は簡易ベッドがあるだけの簡素な小屋。もちろん水洗トイレやキレイなお風呂もありません。バックパッカーだった私は慣れっこですが、義妹たちにとっては初めての経験。来たからには、ぜひ堪能してほしいと伝えました。
義妹は話が違うと言って激怒! それもそのはず、夫は新婚旅行の計画を私に任せきりで、手配のひとつも手伝ってくれませんでした。その分私に一任すると言ったので、今回のプランが出来上がったと言うわけです。
事前に夫にも伝えていたものの、いつも私の話をろくに聞いていないので、行き先の国名しか覚えていなかったのでしょう。
とっておきの晩御飯
義妹たちが絶叫したのは、夕食の時間。私は常々現地の食べ物を食べてみたいと思っていたので、テーブルに並べられたのはワニなどの肉や昆虫の料理。義妹は真っ青な顔で今にも倒れそうでした。
ついに、義妹は今すぐ日本に帰りたいと懇願。自分でお金を払うと約束したので、空港までのガイドを手配し、予定よりも早い飛行機を取り直してあげました。急な手配だったので、とても高額……。このお金があれば、義妹が行きたかった国への旅行も難なく行けたのではないかと思います。
義妹はぐったりとした様子で帰国の途へ。夫はどうにか私に付き合い、予定通りの新婚旅行を終えました。帰りの飛行機の中、私は離婚を言い渡すかとても迷いましたが、今回は旅程を共にしてくれたので、大目に見ることに……。
これを機に、義妹一家のお世話を私にさせるところ、そして話をよく聞かないところを直してくれたらいいなぁと思ったのでした。
家族にも楽しい思いをさせてあげたい、新たな経験をさせてあげたいという気持ちは素敵ですが、夫婦の旅行ともなると、勝手に決めるのはやめてほしいですね。結婚生活においては、夫婦間のコミュニケーションが何よりも大切。しっかり相談し、相手の話を聞くことが必要不可欠ですね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。