待望の第1子、わが子はとてもかわいく愛しい。この子のためならなんだってできる、と産んだ直後は思いました。しかし、3時間ごとの授乳と、抱っこでしか寝ない娘の世話で肩や腰はパンパン……。ついには首が回らなくなり、鍼治療へ駆け込んだ私の体験をご紹介します。
ある日突然、首が回らない!
産後3カ月ほど、おっぱいをうまく飲めなかった娘のために毎回搾乳していました。搾乳と授乳に約2時間かかり、その間はほぼ前傾姿勢。飲みながら寝ないときは、抱っこで寝るまでゆすったり、歩き回ったり。おっぱいから直接飲めるようになっても、娘が飲みやすいように自分の体に負担のかかる姿勢で授乳していました。
そんな日々を過ごしていた産後6カ月のある日、突然首が回らなくなってしましました。顎が上がらず、うがいもできない。抱っこすると肩から首にかけての筋がビーンと痺れ、耐え難い痛みが走ります。
重度の頚肩腕症候群で鍼治療開始
駆け込んだ鍼灸院では「こんなガチガチは久しぶり」と驚かれ、整形外科での診断は重度の頚肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)。
授乳やおむつ替え、抱っこなど、ずっと肩腰に負担がかかっているのにストレッチなどで体を伸ばしてこなかった背中は見事な猫背で、上半身の筋肉が落ちてしまっていると鍼灸師に言われました。2・3日おきの鍼保険治療と、自宅での肩甲骨のストレッチや座り方の改善をおこない、肩が軽くなってきたと感じるまで1カ月かかりました。
肩の痛みは骨盤から、骨盤を正しい位置に
しかし、慢性的な痛みはまだ残っており、鍼灸師に伝えると、肩の痛みは骨盤が正常な位置にないことが原因と言われました。
もともと変形性股関節症を持っていて股関節、膝、くるぶしに痛みもあったので、正常な位置に戻してもらうべく、骨盤調整の施術をおこなうことに。肩の保険治療と並行して骨盤を締めるのに3,240円×25回を自費で支払い、自宅では娘の寝ている横で骨盤前側にある腸腰筋のストレッチ。正しい位置に骨盤が定着するためには筋肉が必要なので、鍼灸師の指導の下、ストレッチや筋トレを育児と家事の合間に組み込みました。
時間とお金がかかりましたが、産後10カ月半ごろから痛みが軽減し、正しい姿勢をしても楽になりました。
授乳や抱っこをするときは、娘が飲みやすいか、よく寝てくれるか、ということばかりを優先し、自分の体に意識など向いていませんでした。しかし、ママは体が資本です。娘が1歳を過ぎた今は月に1回の施術ですが、自分の体と向き合う意味も含めてメンテナンスを続けていこうと思っています。
著者:小田かすみ
1歳になる娘を子育て中の元教師。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育ての体験談を執筆している。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。