「いきなりで悪いんですけど、彼と離婚してもらえますか?」「私が彼と結婚するので!」と言ってきた夫の浮気相手。どうやら、彼女は私のことを見下しているようなのです……。
浮気の暴露と離婚の要求
「毎日朝から晩まで静かに家のことばっかりしてる、所詮ただの家政婦でしょ?」「彼から一切の愛情をもらっていないくせに、妻の座にしがみついてるなんて」と言われて、返事に戸惑った私。
女性はさらに続けました。
「実はあなたの旦那さんと付き合ってます♡ごめんなさいねw」
「彼と結婚するので離婚してもらえます?タワマンからも早く出て行って!」
「はーい!喜んで!」
「え?」
結婚して、私が仕事を辞めるとすぐに夫は豹変。何か一言でも話しかければ「仕事で疲れてるから黙ってろ」と言われ、逆らおうとすれば生活費すら渡してくれず……。だから自分の気持ちを押しころして静かに家事だけをこなしていたのです。
浮気相手もいると知り、目が覚めた私。夫と離婚することに戸惑いはなく、むしろ前向きな気持ちになっていたのです。ひとまず、私は彼女に言われたとおり、家を出ることに。これには行くあてもなかったのですが……。
差し伸べられた手
数時間後――。
「ちょっと、あなたたちいつの間に離婚なんてしたの!?」と電話をかけてきたのは義母でした。
「ついさっき見知らぬ女性が菓子折り持っていきなりわが家に来てね、『彼の後妻になりました』とか言ってきたのよ」「息子に連絡してもつながらないし、どういうことか私たちにも説明して!」
私は夫が海外出張中であること、私のもとにも浮気相手を名乗る女性から連絡があり、離婚を要求されたことを話しました。
「前々から夫には冷たくあしらわれていて……。そこに浮気相手から堂々と略奪宣言されて、私の心は折れちゃいまして……」「彼らの望みどおりの展開は悔しいですが、離婚しようと思います」「今までお世話になりました。どうぞこれからは後妻の彼女をかわいがってあげてください」
しばしの沈黙のあと、義母は「……そんなの無理よ」と言いました。「息子もその浮気相手も汚らわしくてもう顔も見たくないわ」「それよりもあなた、行くあてはあるの?早くにご両親も亡くしているし、頼れる場所はあるの?」と、実の息子より私のことを心配してくれる義母。
私が正直に行くあてがないことを話すと、義母は「それならうちにいらっしゃい!もろもろ片付くまで、いや生活基盤が整うまで面倒を見るわ!」と言ってくれたのです。
そこで、私は一度家に帰り、自分の荷物をまとめて義実家へ。「あなたは何も悪くないのよ」と出迎えてくれた義両親のサポートもあり、私は着々と離婚準備を進めることができました。
浮気相手の悲惨な末路
1週間後、夫が海外出張から帰ってくる日――。
浮気相手の彼女はいつの間にか合鍵を作っていたようで、わが家に侵入していました。たびたび「このタワマンもついに私のもの!」「家に帰ってきたら愛しい私が出迎えてあげるなんて、彼にとっては素敵なサプライズよね!」と私にマウントを取るような連絡をしてきた彼女。
しかし、実際に夫が帰ってくると……「遊び相手がうちに不法侵入なんて、ふざけるな!」「今すぐ出て行け!」と激怒されたそう。彼女は「こんなのひどいよ!」とすぐさま私に泣きついてきましたが、相手を間違えている気がします……。
「私は彼に喜んでもらいたくて、奥さんを追い出したのに」「なのに、私は彼のただの遊び相手だったなんて……」
そう言う彼女に、「悲しんでるところ悪いけど、早速慰謝料請求させていただきますね」と私は淡々と告げました。「ちょうど弁護士さんと話が終わったところで、内容証明を発送するところなの」「あなたの分はそのマンションに、夫のものと一緒に送るわね」と言うと、「ちょ、ちょっと待ってよ!」と彼女。
「あなたがどんな状況だろうと、あなたのせいで私は夫と離婚するの」「だからその責任を取ってちょうだい」と言うと、彼女は「で、でも、本命彼女だと思わせておいて、ただの遊び相手だったんだよ!?」「私だって傷ついたの!だから慰謝料ぐらい許してくれたっていいじゃない!」と反論。
「あなたに同情するつもりはありません」「あと、あなた以外にも複数人浮気相手がいたみたい」「あなた以外の浮気相手にもしっかり慰謝料を請求したから、あなたも支払いよろしくね」
その後――。
弁護士さんのおかげで、私は希望通りの慰謝料を手に入れ、夫と離婚。私への慰謝料と財産分与で苦しくなった元夫は、私と入れ違いで元義実家へ引き取られて行きました。今は元義両親監視下のもと、家と職場を往復するだけの日々を送っているそうです。
例の浮気相手は元夫と結婚する気満々でいたのか、仕事を辞め、貯金を使い果たすまで豪遊していたそう。「だから慰謝料だけは許して!」と言ってきましたが、私には許すつもりはありませんでした。結局、彼女は親や友人に頭を下げて、どうにか慰謝料を工面したようです。
私は元義母の知り合いの大家さんが所有するアパートを借り、新しい生活を始めました。専業主婦時代のブランクがあるため、仕事はパートからのスタートです。財産分与やたくさんの慰謝料があるので、無理せず自分のペースでがんばっていこうと思います。
【取材時期:2024年12月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。