「偶然~!私も公園でピクニックしようと思ってたの~!」と言って、婚約者と私の間に割って入り、大きなお弁当を広げ始めた幼馴染。「まさか、テイクアウトしか用意してきてないの?」「男の子は料理上手な女の子のほうがいいですよね?ね?」と言って、私の婚約者に手作り弁当を押しつけるのです……。
幼馴染のありえない発言
戸惑いながらも、幼馴染のお弁当を黙々と食べていた私の婚約者。しかし、食べ終わるやいなや「ごめん……」と青い顔をして、トイレのほうへ走っていってしまいました。
私の婚約者は一流企業勤めで、ラガーマン体型。幼馴染はそんな彼を狙っているようですが、彼は私と婚約しているのです。
「このまま私の婚約者を狙うなら、私たちの関係も終わりだよ」「せっかくの長い付き合いでも、絶交するからね」と忠告した私。すると、「絶好したければ好きにすれば~?」「親同士の仲はいいけど、私たちは所詮近所に住んでいた同い年ってだけだし」と幼馴染。
「むしろあんたを捨てるだけで、どタイプの男を手に入れられるなら最高ね!」と言う幼馴染に、私は言葉を失いました。
なくした婚約指輪
1時間後――。
どこまでもついてこようとする幼馴染を巻いて、ようやく帰宅した私たち。婚約者は未だに顔色が優れません。
「大丈夫?食べすぎちゃった?」「ごめんね、私の幼馴染に気を遣わせてしまって……」と謝ると、「俺が箸を置くと睨んできたもんね、彼女……」と彼は苦笑い。
「量もだけど、塩と砂糖を間違えていたみたいで……」「無理して食べたんだけど、やっぱり気持ち悪くなっちゃったよ」と言う彼に、私は申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
「今後はあなたからもはっきり彼女を拒絶してほしいの」「彼女、ついに私に略奪宣言までしてきたのよ!」と経緯を話すと、「えっ!?」と驚く彼。
しかし、すぐさま「彼女、俺のことをからかってるつもりなのかと思ってたよ……」「そういうことなら、これからははっきりとした態度を取るよ」と約束してくれました。
その直後、「あれ?ない?」とポケットやかばんをひっくり返して何かを探し出した彼。「もしかしたら、今日のピクニックデートで婚約指輪を落としたかもしれない……」としょげています。
結婚を控えて、さらに体を鍛え始めた彼。指輪がきつくなってきたので、今度直しに行こうと話をしていたのです。今日も出先で彼は痛みを感じて指輪を外し、ポケットに入れたそうなのですが……?
「どうしよう……初めてのお揃いの指輪だったのに……」と落ち込む彼に、「大丈夫よ、きっと見つかるから」と声をかけました。彼は「明日、もう一度公園に行って探してくるよ」と言ったのでした。
勘違い女の末路
1週間後――。
「ごめんね~!今日から彼は私のものよ!」と連絡をしてきた幼馴染。「私、彼からプロポーズしてもらったんだから!」と、突拍子もないことを言い出しました。
「この間、お弁当を入れていたかばんに、彼からの指輪が入っていたのよ」「もう私ったら、今日まで気づかないなんて本当にドジなんだから」「私にはサイズがかなり大きいけど……彼ったらうっかりさんね、でもそんなところもかわいいわ!」
おそらく、それは彼がなくした婚約指輪でしょう……。しかし、幼馴染は「男の子はやっぱり料理が得意な女性が好きなのよ!」「女子力を磨いてこなかった自分を恨むことね!」と私を見下します。
「結婚直前だったのに彼を奪っちゃってごめんねぇ~w」
「でももう私のものだから、彼には近付かないでね♡」
「彼なら隣で笑い転げてるけど?」
「え?」
つい昨日婚姻届を出し、入籍したばかりの私たち。今日から一緒に暮らし始めたのです。
「なんで彼とまだ一緒にいるのよ!早く彼から離れなさいよ!」と見当違いな怒りをぶつけてくる幼馴染。それを見かねたのか、彼が私のスマホを手に取りました。
「俺たちは昨日入籍したんだ、だから君と結婚するなんてありえない」「その指輪は俺がポケットから落とした、大事な婚約指輪なんだ」「見つかってよかったよ」
「わ、わかったわ!私に怒ってるんでしょ!」「私がプロポーズに気づくのが遅かったから!」「それで私に見せつけるように、そいつと結婚したんでしょ!」と幼馴染。その言葉を聞いて、私と夫は目を丸くして顔を見合わせました。
「あのさ……好きになってくれるのはうれしいけど、君の気持は正直言って迷惑でしかないんだ」「はっきり言うけど、俺は君が大嫌いだよ」と夫。「見た目はかわいいけれど、中身は悲惨だよね」「そんな女性と結婚したいと思うわけないじゃないか」と、幼馴染をはっきり拒絶してくれました。
その後――。
幼馴染は怒りに任せて、夫の婚約指輪を売り飛ばしました。そこで、私たちは被害届を提出。彼女のご両親にも連絡すると、無事に婚約指輪を買い戻してもらえました。売った金額をはるかに上回るお金がかかったそうですが……。
事情を知った彼女のご両親は、私たちに平謝り。今は彼女を実家に連れ戻し、監視下に置いてくれています。そのおかげもあって、私たちは平穏な新婚生活を送っています。
【取材時期:2024年12月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。