夫が「娘と一緒にお風呂」と言ってくれたものの
当時、友人・Hさん夫婦の娘は5歳。夫婦は共働きですが、夫は残業や接待などが多く、日付が変わってから帰ってくることもしばしば。「仕事だから仕方ない……」と、夜は友人がひとりで娘のお風呂やごはん、寝かしつけまでしていました。
ある日、久しぶりに夫が「今日は仕事が早く終わった!」と夕方に帰ってきたのです。娘は珍しく早く帰ってきた夫に「パパー! おかえり!」と喜びながら抱きつきました。
しかし、その日のHさんは生理前で体調がよくなかったそう。早い夫の帰りを喜べる元気が残っておらず、ソファにうなだれたまま動けませんでした。Hさんはリビングに入ってきた夫にその場で「おかえり……」とひと言。その様子を見てすべてを察した夫は「今日は娘と一緒にお風呂入るよ」と言うと、娘もとても喜んでいました。
Hさんは夫の予想外の提案に「ありがとう! 助かる!」と言ったものの、夫と娘がお風呂に入るなんておそらく1年ぶり。Hさんが「果たして夫がひとりで娘をお風呂に入れられるのか」と心配しているのが表情に現れていたのでしょう。夫はHさんに「大丈夫だよ、これくらい余裕」と言いながら、娘とお風呂に向かいました。
夫の誇らしげな表情に安心していた翌朝…
夫と娘がお風呂に入ってくれたので、友人は休憩しようとソファに寝転びました。そして、そのまま2時間ほど寝てしまったのだそう。目を覚ましたHさんは「しまった! 寝かしつけしないと」と飛び起きました。すると、慌てた様子に気付いた夫は「寝かしつけまで終わったよ」と友人に言ったのです。
なんと夫はお風呂に入れるだけではなく、娘の寝かしつけまでしてくれていたのです。Hさんは夫の気づかいに感動して「ありがとう! さすがパパ!」と言うと、夫はとても誇らしげな表情を浮かべました。
翌朝、いつもよりスッキリ目覚めることができたHさんは、軽やかな足取りでキッチンに向かい朝食の支度を始めました。しばらくすると娘が起きてきたので、Hさんが「昨日のパパとのお風呂どうだった?」と尋ねると「楽しかった!」と満面の笑みで答えました。
幸せな気持ちで朝食を済ませて夫を仕事に見送った後、Hさんは娘の保育園の支度を始めます。早速、激しい寝グセが付いている娘の前髪を整えようと、水を付けて寝グセを落ち着かせることに。Hさんは自分の手に少し水を含ませて娘の前髪に当てると、何やら違和感が。そーっと娘の前髪から手を離すと前髪が泡立っているではありませんか。
「何よコレ!」と驚いたHさんは、娘の頭頂部にも水を付けて少しこすってみると泡がどんどん出てきたのです。
天国から地獄に落とされたような気分に
さすがに泡立つ髪のまま娘を保育園に行かせるわけにもいかず、娘に「服脱いで! 髪の毛洗うよ!」と言い、急いで洗い流すことに。慌ててお風呂に入って泡を洗い流し、さらに娘の長い髪の毛をドライヤーで乾かさなければならず、Hさんはいつも以上に家の中を駆け回りました。
Hさんはバタバタ準備をしている最中、昨夜の夫の誇らしげな表情が頭に浮かぶたび、複雑な心境に。しかし、自分も娘を保育園に送って仕事に行かなければいけません。なんとしても時間通りに家を出るために、一旦夫のことは忘れて必死に準備をすることに。保育園に娘を無事に送り届け、職場にも駆け込み出社してギリギリ遅刻を逃れることができたそうです。
その日、Hさんは家に帰り着くと、いつも以上の疲労感に襲われていました。22時ごろにHさんが娘を寝かしつけたところで、「ガチャ」と夫が帰ってきた音がしたので、朝のことを言わなければ! と思ったHさんは夫に駆け寄りました。
朝はあんなに笑顔だったのに、怒りに満ちた表情でHさんが迫ってきたので「どうしたの?」と夫は尋ねます。Hさんは、娘の髪が泡立ったことを話すと「そうだったんだ! ごめん! 遊ぶのに夢中で洗い流すのすっかり忘れてた!」と言いました。
今朝の天国のような気持ちから、地獄に突き落とされたような気持ちになったHさん。そして、夫はHさんの疲れ果てた姿を見て、誇らしげだった表情が一変、まるで子どもが怒られたときのような悲しげな表情に変化したのです。
夫のその表情のあまりの変化ぶりに、さっきまで怒りの感情しかなかったHさんでしたが、急に笑いがこらえきれなくなり、最後は夫と2人で大笑いしていまいました。
まとめ
妻の体調を気づかい、久しぶりに娘とお風呂に入って遊びに夢中になってしまったHさんの夫。翌朝はバタバタして、その日のHさんは心身ともに疲弊したことでしょう。しかし、まさか娘の髪の毛から泡が出てくるなんて……。「今思い出すと笑えるし、夫が体調を気づかって行動してくれたことには感謝の気持ちでいっぱい」と語っていました。
Hさんは、今でもたまにあの日のことを話しながら3人で笑い合うほど、家族の楽しい思い出になっているそうです。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:勝 さとみ/30代・ライター。2015年生まれと2020年生まれの2人姉妹を育てるシンママ。肌の悩みが多く、よくSNSでおすすめのスキンケア情報などを収集して試して、日々美肌研究中!
イラスト/おみき
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年12月)
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