妹の結婚式から2年後、ようやく私たちの結婚式場や日取りが決まりました。私たちが地元のこぢんまりとした式場を予約したことを知った妹は、「私のダーリンはエリート商社マンだから海外挙式できたけど、お姉ちゃんのところは地味な会社員だから海外挙式なんてできないか~」「しかも身内だけしか呼ばないらしいじゃん?そんなにお金ないなんてかわいそう」とマウントをとってきたのです……。
姉の結婚式
妹夫婦に比べると、たしかに地味な私たち。だからこそ、目立つような結婚式ではなく、身内だけにしっかり私たちの結婚をお知らせするための式にしたかったのです。
「お姉ちゃん、昔から海外挙式に憧れてたのに、できなくて残念ね~!」「地味な地元の式なんて行く価値あるかな?」
一方的に私を見下してくる妹に、「来たくないなら招待状も出さないから来なくていいわよ」と言って、私はため息をつきました。
「でも、私たちのご祝儀がないと大変なんじゃない?」「私たちはご祝儀で式の費用をペイできたけど」とニヤニヤしながら言ってきた妹。
妹たちは、「交通費と宿泊費は負担する」と言って、たくさんの招待客をグアムまで呼んだのです。しかし、そこで渡されたのは1人につき1万円。しかも、飛行機も宿泊施設も招待された側が自分で探して予約しなければならなかったのです。そんな結婚式を行った結果、親戚や友だちは妹たちから離れていきました。
「あなたたちみたいな自分勝手な式を挙げたくないから、私たちはよく考えて入念な準備をしているのよ」と言うと、妹は「負け惜しみにしか聞こえないけどね」と言って私のことを鼻でわらったのでした。
思わぬ臨時収入
1週間後――。
「ねぇ、お姉ちゃん!お母さんからローマで挙式になったって聞いたけど、本当!?」と電話をかけてきた妹。
ラッキーなことに臨時収入があり、慌てて式場をローマに変更したのです。招待客たちにも連絡し、飛行機や宿泊場所を用意。もちろん、その費用は私たちが全額持ちます。
「あなたは地味な私たちの結婚式には来ないのよね?」とあらためて聞くと、「交通費も宿泊費もお姉ちゃんたち持ちなんでしょ?行く行く!」と調子のよい妹。
「ほんと、どうしたの?平々凡々な地味な会社員のくせに、どこからそんなお金湧いたわけ?」「もしかして、宝くじでも当たった?」
妹の言う通り、宝くじが当選した私たち。私が何と返事をしようか迷っていると、妹は「もしかして図星?宝くじ当たったんだ!」となぜか興奮状態。
「あんまり言いふらさないでよ?」「どこから漏れて面倒なことになるかわからないんだから……」と釘を刺しましたが、妹は「もうすぐ私、誕生日だからプレゼントほしいなぁ~?」「かわいい妹に特大のプレゼント、期待してるね!」と勝手に皮算用を始めていたのでした。
妹がおねだりしてきた誕生日プレゼント
1カ月後、妹の誕生日――。
「お姉ちゃん、今日は私の誕生日だよ!」「もちろん、お祝いしてくれるよね?」「ほしいもの準備したから買って!」と連絡してきた妹。正直、何をねだられるか不安で仕方なかったのですが、とりあえず"ほしいもの"を聞いてみると……?
「タワマン契約してきたの!」「マイホーム資金として夫が貯めてた1,000万を頭金として突っ込んだのよ」「だから残りの7,000万はお姉ちゃんが払ってね!」
あまりの高額な要求に私はびっくり。「どうしてあなたたちの新居を私がプレゼントしなきゃいけないのよ!」と言いました。
「宝くじ当たったお金でお姉ちゃんたちだって贅沢するんだし」
「高額当選したんだからいいじゃん!たった7,000万くらい!」
「当たったのは私じゃないけど」
「え?」
当たった宝くじは、夫が一人で購入したもの。私の一存で妹たちに当選金の一部をあげるなんて私は考えられませんでした。
「じゃあ、義理の妹にプレゼントしてってお姉ちゃんから旦那さんに頼んでよ!」と妹。しかし、そんな妹は私たちに今までプレゼントをくれたことはありませんでした。2年前に私たちが入籍だけしたときもご祝儀すらくれなかった妹に、7,000万円なんて大金をぽんとあげられるわけがありません。
「お姉ちゃんばっかり希望が叶ってずるい!」「来月頭までに残金を振り込まないと、タワマンの権利がほかの人にいっちゃうの!」「しかもキャンセルになったら、頭金は半分も戻ってこないのよ!!」
「悪いけど、これから式の打ち合わせのためにローマに行くのよ」「私は約束もしてないし、あなたにお金をあげるつもりもない」「あとのことは自分でなんとかして」と言って、私は電話を切りました。
その後――。
結局、タワマンの残金を支払うことができず、頭金もほとんど取り戻せなかった妹。妹は黙って契約を進めていたようで、事情を知った妹の夫は激怒。離婚話に発展しているそうです。
私と夫は、無事にローマでの挙式を終えました。2年越しの結婚式がこんなに素敵なものになるとは思っていませんでした。両親をはじめ、親戚や友人のみんなも楽しんでくれたようで本当に良かったです。
【取材時期:2024年12月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。