「この私が入院したのに、すぐに駆けつけないなんてどういうことよ!」と電話をかけてきた義母。「息子から連絡がいったはず!」と言いますが、私はそんな連絡を受けていません。
義母をなだめて電話を切り、夫に連絡すると「あー忘れてた!」と一言。そして、俺、怒られるの嫌だし、ここはお前が悪かったことにしといてくれよ」と言ってきたのです。
あいにくその日から長期の県外出張の私。義母にいくら「見舞いに来い」と言われても、行ける状況ではないのです。夫に義母のことを頼んだところ、「面倒すぎて無理」「母さんは、嫁いできたお前の母親でもあるんだから、お前がやれよ」と丸投げされて……?
嫌味三昧の義母
数日後――。
「どうしてまだ私のお見舞いに来ないの!?」「家族より仕事を優先するなんて、あなたって本当にダメ嫁ね!」「あーあ、やっぱりこんな嫁もらうんじゃなかった!」と毎日のように電話をかけて嫌味を言ってくる義母。さらに、その日は夫の元カノのことを持ち出してきたのです。
「実は息子の元カノが、今ここの病院の看護師さんなの」「本当にいい子で、彼女がお嫁さんだったらすぐに駆けつけてくれたでしょうね~?」「今だってこうして親切に世話してくれてるし、あなたとは大違いだわ!」そう言いながらわざわざ元カノをテレビカメラで映して見せてくる義母。
そりゃ、看護師さんはそれが仕事ですもの……。そう言いたい気持ちをぐっとこらえていると、「昔からやさしくて素敵な子なのよ~」「うちの息子と結婚したら、きっとすぐに孫の顔だって見せてくれるわ」と続けた義母。
前々から義母に疎ましく思われていることはわかっていましたが、元カノと比較されるなんて……。義母は私が反省して黙り込んでいると思ったのでしょう、「とっとと出張を終わらせて、私のお見舞いに来なさいよ!」と言ってきたのでした。
義母の願いを叶えた嫁
1週間後――。
「あんた、いい加減にしなさいよ!」「いつになったら私の見舞いに来るのよ!」と連絡をしてきた義母。
「まだ出張中なの?私の見舞いに来ないなんて、嫁失格よ!」
「元カノはやさしかったのに、本当にダメ嫁ね!こんな嫁もらうんじゃなかった!」
「ではお望みどおりにw」
「は?」
実は、今朝出張先から戻ってきた私。そのまま、離婚届を提出しに役所に行っていたのです。
その離婚届は、義母との同居が決まったときに、夫が「絶対にいつでもお前の味方になる。ならなかったときはいつでも提出していい」と言って渡してきたもの。そこには、すでに夫のサインが記入されていました。
毎日のように嫌味を言ってくる義母に、義母の肩ばかり持って私に面倒なことを丸投げしてくる夫に、私は辟易としていたのです。だから出張から戻ってすぐ、離婚届を出してきたのです。
義母に離婚届を出したことを伝えたところ、「離婚届って、あんた何、勝手なことをしてるのよ……!」と慌てている様子。
「あれ?喜んでくれないんですか?嫁失格で消えて欲しいって言ってたのに」「それとも、わざと傷つけることは言うけど、離婚せずに同居を続けろって言うんですか?」「もしかして、私の稼ぎを自由に使えなくなることを心配してます?」と返した私。
義母との同居にかかわる生活費はすべて私が支払っていたのです。さらに、義母にねだられ、私の給料から義母へのお小遣いも毎月渡していました。夫の年収は私よりも低いので、今のような好き勝手した暮らしができなくなることは、さすがの義母にもすぐにわかったのでしょう。
「それに、元カノさんがいらっしゃるじゃないですか!」「看護師さんならそれなりに稼ぎもあるだろうし、きっと素敵な嫁になってくれますよ!」と言うと、「そ、それが……あの子、どうやらこの病院の院長息子と付き合ってるみたいで……」と義母。
「だから、離婚は考え直してくれないかしら……?」とおずおずと言ってきた義母に、「あ~!なるほど!彼女にはすでに男がいるから、復縁してくれそうにないと!」「だから私で妥協してやるから戻ってこいってことですね!」「すみません、普通に無理です!」と言って、私はスマホを置きました。
嫌味な義母と嘘つき夫の末路
その後すぐ、「母さんから、離婚届出したって聞いたぞ!?どういうことだ!」と連絡してきた元夫。私は経緯を軽く説明し、「これで浮気相手の元カノと結婚できるね!よかったね!」と言いました。
「え…いや、まさか本当に離婚届ダストは思わなかったんだ!」「お、俺は浮気なんてしてないぞ!」と元夫。しかし、私はすでに証拠をつかんでいるのです。
義母との同居が決まった際、私は防犯カメラを玄関に取り付けていました。また、留守中のペットの様子が見守れるよう、最近になって小型のペット用カメラをさまざまな場所に設置したところでした。
離婚届を取りに戻ったときに、そのカメラの映像を確認すると……そこには元カノとおぼしき女性と、わが家で仲睦まじく過ごす元夫の様子が。その映像を見て、元夫への情は完全に消え失せました。
「毎日毎日お義母さんの嫌味に耐えて、それでもあなたを信じて同居をがんばってきたのに……」「約束を破って一度も助けてくれないうえに、浮気して」「離婚されて当然でしょうが!」
その後――。
私は弁護士を通じて、元義母と元夫に慰謝料と財産分与を請求。2人は世間体を気にしたのか、すぐさま振り込んでくれました。
元夫との逢瀬はほかの人にも見られていたらしく、元カノは病院を自主退職。院長息子とも別れてしまったようです。もちろん私は元カノにも慰謝料を請求しました。元義母の退院後、元夫は仕事と元義母の介護に追われていると私に泣きついてきましたが、もう私は嫁ではありません。
一方の私は、まとまった金額を手に入れたこともあり、余裕のある形で新生活を始められました。この間滞在した出張先がとてもいいところだったので、有休を使ってちょっぴり豪華な旅行をしようかと計画しています。
【取材時期:2024年12月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。