最近、若い女性にも増えている多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)という病気をご存知ですか? 多嚢胞性卵巣症候群というのは、卵巣の中に発達途上の卵胞が多数存在し、排卵が阻害されてしまう病気です。私は2人目の出産後、多嚢胞性卵巣症候群と診断されました。ここでは私が体験した多嚢胞性卵巣症候群の症状や原因、治療法などを伝えていきたいと思います。
不妊と気付かずに2年もの妊活生活
2人目出産後、夫婦間での話し合いの結果、3人目をすぐに年子で作ろうということになり、タイミングを取っていたものの、気付けば一年が経っていました。
なかなか妊娠しないと思い、排卵検査薬をたくさん買って毎日チェックし、基礎体温もつけていました。それでも妊娠には至りませんでした。2年が経ったある日、わずかな量ですが不正出血があり、3日続いては止まりを繰り返していました。
病気の診断と症状
不正出血があり、50日に一度の生理不順。もしかして……と思い、婦人科に行きました。エコー検査と血液検査とガン検査をした結果、「多嚢胞性卵巣症候群」の診断を受けました。初めて聞いた長すぎる名前と、「不妊」という現実に唖然としていた私に、先生は「めずらしい病気ではないし、自然に治る可能性もあるよ。もちろんきちんと治療しながら妊娠する可能性もある」と言ってくださいました。
不妊治療の開始。治療法は?
私がおこなった治療は、薬で排卵を起こし、タイミングを取る方法でした。1回目は生理が来てしまい、ショックで不安を抱えながら2回目に挑みました。治療に当たった先生は、不妊治療を最も得意とする先生で、タイミング法の時間の指定と排卵率を高める注射を打ってもらいました。
そして見事に2回目の治療で妊娠することができました。待ち望んでいたのでとてもうれしく、改めて命の尊さに気付かされた瞬間でした。
私と同じように、この病気に悩んでいる方もいると思います。不安も大きいかと思いますが、前向きに治療をおこなってほしいと私は思っています。
著者:新山紗季
6歳、4歳、1歳の三児の母。現在は医療機関で働くかたわら、記事執筆をおこなう。不妊治療や妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。