結婚式の前に、私の親戚からいろいろな話を聞いた夫。私の実家が由緒正しい家柄で、土地をたくさん所有している大地主だと聞かされたようでした。
そのせいか、夫は勘違いしているような気がします。土地をたくさん持っている家なんて、地方ならさほど珍しいことではないのですが……。
羽目を外した夫の信じられない行動
結婚式の日、結局、8軒目まで飲み歩いた夫。最後のほうは、夫と仲の良い友人たちだけになり、キャバクラにも行ったそうです。女の子と楽しくおしゃべりをしながら飲んだだけと夫は言いますが、私はいい気がしませんでした。
それだけでも許しがたい気持ちがあったのに、夫はさらに私の気分を害する発言をしてきたのです。せっかくのお祝いだし、盛り上げたかったので、そのお店で1番高いお酒を入れたと……。さらには、5軒目以降はすべて自分がおごったと得意げに話され、本当にびっくりしました。なんと昨夜だけで、総額で200万円以上を使ったと聞き、私は思わず絶句。
「結婚式でほとんどの貯金を使ったことを忘れたの?」
私がたしなめると、夫は結婚式後の楽しい気分が台無しになる、説教は止めてくれと言い、お金に困ったら、私の実家に頼ればいいと言い出したのです。夫には何度も説明しましたが、私の実家は土地があるだけでお金持ちというわけではありません。
夫がこんな人間だったなんて…
泥酔して朝帰りした結婚式の翌日、シャワーを浴びてそのまま出勤した夫。そして突然、義母から私に衝撃の連絡が。その日、なんと夫は急に仕事を辞めたのです。酔ったまま出勤した夫を、上司が注意したのがきっかけだったそう。注意されたことに腹を立てた夫は、その場で辞表を提出し、無職になりました。
親戚に口利きをしてもらってやっと得た仕事でした。結婚式の費用で貯金もゼロ、その上、羽目を外して散財した200万円以上の請求もまだです。一体これからどうしていくつもりなのかと私が尋ねると……。
「だってお前地主の娘だろ?」
「俺が働く必要ないじゃん」
何度も説明したのに、夫は私の話をまったく聞いていなかったのです。実家が所有する土地は、使い道のない山ばかり。売ってもお金にはならず、ただ税金がかかるだけ。私たちが受けられる恩恵はひとつもありません。それなのに、私の実家の資産をあてに、散財して仕事まで辞めてしまった夫。
「私の話、聞いてなかったの?」
「え?」
資産がないと知り、急に慌てだした夫。辞職を撤回できるかどうか相談しに行きましたが、就職の世話をしてくれた親族の方の顔に泥を塗り、自分をここまで育ててくれた上司に逆ギレして辞表を叩きつけたのです。許してもらえるわけがありません。
すると夫は、すべて私の親戚が悪いと言い出しました。由緒正しい家だと紛らわしいこと言ったから悪いのだと怒っていますが、私の実家が地主だと聞いたとたんに、散財して仕事を辞める夫のほうが圧倒的に悪いです。
昨日、永遠の愛を誓った人が、こんな人間だったなんて幻滅しました……。
天国から地獄へ転落した夫の末路
しばらく夫の顔を見たくなかった私は、実家に戻ることにしました。まだ結婚したばかりですが、夫にはすでに失望してしまったのです。無責任な夫の言動を見て、もうやっていけないと思いました。
夫はじきにやってくるクレジットカードの請求に「どうしよう?」と怯えています。私はもう離婚を決意しているので、夫に自分でどうにかしてもらうほかありません。
「結婚式の次の日に、離婚するなんて言わないでくれ……」
涙目で訴えてきますが、本性を現した夫に人生をぶち壊される前に縁を切りたい。別れるなら1日でも早いほうがいいと考えました。酔っていたせいだと夫は主張しますが、そういうときこそ本性が出るもの。失態の規模が大きすぎて、もう信じることはできません。
夫は反省し、仕事も探すし、娯楽には二度とお金を使わないと宣言。だから許してくれと言いますが、夫が身勝手に作った借金を返済し、無職の夫を養っていくほどの寛大な心を、私は持ち合わせていませんでした。
両家の両親も納得の上、夫以外の誰からも反対なく、離婚が成立。今回のことで、両親や親族からも見放された夫は、頼れる人を失い、ひとり孤独に極貧生活を送っているそう。私は、今度こそ素敵なパートナーと巡り合うべく、婚活に励んでいます。
◇ ◇ ◇
幸せな結婚式を挙げた翌日に、離婚の話になるなんて……。まさに天国と地獄ですね。転落したのは夫ですが、愛を誓った後すぐに、相手を見損なわなければならない妻のショックも相当大きかったのではないでしょうか。
酔ったときに本性が出ると言いますが、本当にそうなのかもしれませんね。夫には、お酒の飲み過ぎ、勘違い、甘い考え、親切心を無碍にする、反省すべき点がたくさんありますが、しっかり罪と向き合い、改心してほしいですね。
【取材時期:2025年1月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。