当初は、家を建てるお金があるのなら高級旅館へ連れていけと言っていた義父母でしたが、今は新築一戸建てでの同居を望んでいます。月10万円も仕送りをしているのに、まだ私たちのスネをかじるつもりのようで……。
私たち夫婦は、お互いの両親との同居を望んでいません。しかし、いくら断っても、あきらめようとしない義父母。
さらに義父母は、何度言ってもわが家に無断で上がり込むことを止めてくれません。設置してあるペットカメラには、義父が寝室で何やら物色している姿が……。他にも義父は、私がお風呂に入っていると、「おっと、間違えた〜」と言って、たびたび脱衣所に入ってくるのです。本当に気持ちが悪くて、私はもう限界。
新居の間取りに口を出す義母
ある日、義母はまた黙ってわが家に侵入。そのときに新居の設計図を見つけたと、大喜びで連絡してきました。新住所も判明し、「もう逃げられないわよ」と鬼の首をとったかのようにはしゃいでいた義母。
1番広い部屋を私たち夫婦の寝室にしようと夫と決めていたのですが、義母は設計図を見て……。
「1番広い部屋を私の部屋にするわ! 嫁に決定権はないから!」
1番小さい部屋を私たち夫婦の寝室に指定。そして、嫁は、義両親に尽くすと決まっていると義母は言います。せっせと働いて、いい暮らしをさせろとまで言われました。
何を言っても話にならないだろうと思った私は、義母の希望を受け入れる代わりに、交換条件を出しましました。勝手に作った合鍵を渡し、もう二度とわが家に無断で入らないと約束してもらうことにしたのです。
新築一戸建てに同居が決まって浮かれた義母は、すんなり私が出した条件を受け入れてくれました。
新居が完成!私たちの計画も完遂!
半年後、新居の引き渡し当日、さっそく義母から連絡が入りました。
「荷物を送ったから」
「私の部屋に入れておいて」
新居に荷物を送ったという義母。そして、指定していた1番広い部屋に荷物を運び入れておけと言われました。なぜ同居を認めていない私が、義母の荷物を新居の1番良い部屋に運ばなければならないのでしょう……。
「部屋はないと思いますが?」
ここからは、いよいよ私の仕返しです。新居に浮かれる義母に真実を伝えました。実は、義父母が盗み見ていたあの設計図はダミー。勝手にわが家を物色する義父母に見つかるような場所に、そんな大事なものを置いておくはずがありません。
「は?」
急いで荷物を送った設計図の住所に向かった義母。残念ですがその場所に家は建っていないのです。その場所は、わが家とはまったく関係ない友人が管理する土地。義母はただの空き地に荷物を送っていたのです。
怒った義母は、今からわが家に乗り込んで来ると言います。私をとっちめて、夫とも離婚させると息巻いていました。しかし、義母が私たちを見つけることは不可能。私たちは、以前住んでいたマンションをとっくに引き払い、すでに新居での生活を始めていました。
義母は「それなら!」と、私たちそれぞれの職場に押しかけようとしますが、それも対策済み。新居への引っ越しを機に、私も夫も転職したのです。万が一、義父母が前の職場に押しかけ大騒ぎをしたら、警察に通報するよう伝えてあります。
「なぜそこまでするのか」と激怒する義母ですが、理由はただひとつ。義父母の非常識な行動に疲れたからです。結婚以来ずっと月10万円の仕送りをしてきましたが、それでは足りず、お金を要求される日々。さらには、義父の色ボケ、義母の嫁いびりと、ありとあらゆる嫌がらせを受けてきて、心底疲れていました。その上、勝手に同居なんて決められて……。
そんな人たちと同居なんてできるわけがありません。そこで、私と夫は今後一切、義父母と関わらなくて済むよう計画を立て、実行したのです。
実の息子から絶縁された義父母の末路
「私は親なのよ?」と言う義母でしたが、実の息子である夫が縁を切りたいと言い出したのです。
これからは、毎月の仕送りからも、嫌がらせからも解放されます。私たちからの経済的援助をあてにして、義父の退職金をあっという間に使い切ってしまった義両親。ずっと専業主婦だった義母、もう働く気がない義父。ひとり息子から縁を切られ、「これからどう生きてけって言うのよ!」と言います。
縁だけは切らないでほしい、引き続き援助をしてほしいと必死にすがってきました。しかし、どれだけ謝られても許すことはできません。夫ももう面倒を見る気はないと宣言。いい大人なんだから、自分たちのことは自分たちでどうにかしてくれと言い、完全に縁を切ることとなりました。
◇ ◇ ◇
子が親を捨てるなんて余程のことです。縁を切られてしまうまで、迷惑をかけていること、非常識な態度だったことに気がつかなかったとは……。もしくは、気づいてはいたけど、甘えてしまっていたのでしょうか。いずれにしても今回の件で、今までのひどい行ないを悔いて、反省し、他人に迷惑をかけることなく、義父と義母には力を合わせて、お互いを大切にしながら第二の人生を歩んでほしいものです。
【取材時期:2025年1月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。