「彼と離婚してほしくて連絡しました!」といきなり言ってきた彼女。「彼は私と一緒にいたいって言ってくれてます」「奥さんに愛なんかないんですって!」と言われましたが、知らない人からいきなりそんなことを言われても、信じられません。
すると、彼女は「そんなに信じられないなら、証拠を見せましょうか?」と言ってきて……?
勝ち誇るように離婚を迫る浮気相手
「先週は1周年記念で福岡旅行に行ってきたんです!」「そのときのデート写真ありますけど、送りましょうか?」と彼女。
たしかに、夫は先週出張だと言って、福岡に泊まりがけで出かけていました。私が言葉を失っていると、「写真を送らなくても信じてくれそうですね?」と彼女は勝ち誇ったように言ってきました。
「まぁ、彼と離婚したくないっていう気持ちも理解できますよ?なんてったって大企業勤めのエリートで、年収も1,000万円超!」「彼は子どもを欲しがってるんです!」「彼の幸せのために、とっとと離婚してください!」
「えっ」と思わず声を上げてしまった私。というのも、大企業に勤めていて、年収が1,000万円を超えているのは私のほうだからです。それに、「子どもをつくるのは今じゃない」と言って、タイミングを避けていたのは夫のほう。
私が何も言えずにいる間に、「彼のことが好きなら、彼の幸せを考えて身を引いて!」「わかった?早く離婚してくださいね!」と言って、彼女は電話を切ってしまいました。
浮気相手の妊娠報告を受けた私の下した決断
1週間後――。
「まだ離婚してないの?早く離婚してちょうだいって言ったはずだけど?」と再び連絡してきた夫の浮気相手。
「実はね、妊娠検査薬で陽性反応が出たの。ついに私、彼との子どもを妊娠したわ!」
「さすがにこれは、あなたが離婚するしかないわよね?」
「オッケー!すぐ出ていくから頑張ってね!」
「は?」
私のあっけらかんとした返事に驚いている彼女に、私は「一応聞くけど、本当に彼の子どもなの……?」と尋ねました。すると、「当然でしょ!彼以外の男となんて遊んでないわ!」と彼女。
さらに彼女は、「あれだけ離婚してくれなかったのに、子どもができるってすごいわね……」「じゃあ早速、今日中に家から出ていって!離婚届もすぐに出してね」「その家には新しい妻として私が住むわ」と続けました。
ため息をひとつついて、「わかったわ」と応じた私。「それじゃ、年収200万の男と子育てがんばってね!」と明るく伝えました。
「言われたとおりすぐに出ていくから、どうぞこのマンションで彼と子育てがんばって!」「あ、でも……ここの家賃って彼に払えるのかしら?今までは私が全額払ってたんだけど……」「ちなみに子どもをつくるのを拒否してたのは夫のほうで、私には何の問題もないからね」
「そ、そんな、ありえないわ……」「だって、彼はいつもやさしくて誠実で……デートはいつだって奢ってくれたし、まめにプレゼントも買ってくれたし、年収が200万なわけないじゃない!」「それに、彼は本当に子どもを早く欲しそうにしてたのに!だから私が奥さんに代わって産んであげたいと思ったのよ!?」と彼女。どうやら夫は意外と演技上手なようです。
「私とおなかの子どもはどうなるの?」「彼に喜んでもらえると思ったのに!」「妊娠さえすれば、勝ち組になれると思ったのに!」と嘆く彼女に、「それは夫と2人で話し合ってちょうだい」「とりあえず私は夫と離婚するし、ここから出ていくから……お幸せにね」とだけ言って、やり取りを終えました。
略奪婚の末路
数時間後――。
「今どこにいるんだ!?」「荷物もないし、リビングに離婚届が置いてあるし……!」と、焦った様子の夫から電話がかかってきました。
「あなたの彼女から、『離婚して出ていってくれ』って頼まれたのよ」と言うと、「あ、いや、あの子は違うんだ」「ただの遊びっていうか……俺が一番愛してるのはお前だから!離婚だけはやめてくれ!」と夫はおろおろ。
「そうも言ってられないでしょう?彼女、あなたの子どもを妊娠してるのよ?」
「えええええ!!!」と驚く夫。どうやらまだ彼女から伝えられていなかったようです。「あの女、そんな馬鹿な真似をしてやがったのかよ!」と理不尽な怒りを見せた夫を、「馬鹿な真似をしてるのはあなたでしょう!」と私は一喝。
「出張だのなんだの嘘ついて浮気三昧」「しかも妊娠までさせるなんて、もう離婚するしかないでしょう」
「一生かけて償うから……だから俺を捨てないでくれ!」「俺の給料じゃ家賃も車の維持費も払えない!」「彼女だってカフェで週3バイトしてるだけなんだ!」と言う夫。こんなときでも、心配するのは自分の生活のことばかりな夫に、私は呆れ果ててしまいました。
「やっぱり離婚したほうが良さそうね!」「離婚届にサインして、代わりに提出しておいてくれる?」「慰謝料と財産分与については、弁護士から連絡させるから!」
その後――。
弁護士を通して、私たちは離婚。私は希望通りの額の慰謝料を2人から回収することができました。2人ともろくに貯金がなかったようで、元義両親に頭を下げて立て替えてもらったようです。
元義両親は「同居してくれて、孫を好きなようにかわいがっていいならお金を返さなくていいわよ」と交換条件を出していたそう。私も元義実家に行くたびに家政婦のような扱いを受けていたので、浮気相手の彼女が今どんな生活を送っているかは想像に難くありません。
弁護士とのやり取りなどはとても大変でしたが、今は元夫と別れられて本当によかったと思っています。晴れて独り身になったので、また婚活に励むつもりです。
【取材時期:2024年12月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。