いよいよ式の準備も大詰め。夫は打ち合わせのたびに「面倒だな~」とブツブツ……。プランナーさんの話もまったく聞いておらず、最終決定はほとんど私。
結局、夫は最後まで積極的な姿勢を見せないまま、結婚式当日を迎えてしまいました。
ついに結婚式当日!しかし夫は…
ずっと憧れていた「特別な1日」。ドレスを着てメイクをしてもらった私を見て、両親は何度も綺麗だと褒めてくれて、泣いて喜んでいました。
もちろん夫も同じように褒めてくれる……と期待していましたが、待ち合わせの時間はとっくに過ぎているというのに、夫も義両親も式場に到着していません。
まさか事故にでも遭ったんじゃ……。胸騒ぎがした私は、夫に電話をかけました。何度かコール音が鳴ったあと、ようやく電話に出た夫。私は念のため両親にも会話が聞こえるよう、スピーカーに切り替えて話しました。
「あー、どうした?」スピーカーからは、夫の気の抜けた声が聞こえてきました。
結婚式当日に親孝行!?
私が今どこにいるのかと聞くと、信じられない返事が……。
「今、母さんと旅行中! 結婚式は延期で! キャンセルの手続きとかは任せるから。」
驚きのあまり言葉を失う私……。すると、義両親の声も聞こえてきました。
「ごめんなさいね、私って思い立ったらすぐに行動に移さないと気が済まない性格で。」「ご両親にも、わるかったって言っておいてくれ。また今度な!」
式場には私たちを祝福しようと集まってくれたゲストたちがいて、スタッフさんも一生懸命準備してくれたのに、いくらなんでも家族揃って非常識すぎます。そのとき、今まで大らかだと思っていた夫が、ただのワガママ男だと気づいてしまった私。
こんな男と家族になるなんて、私を大事に育ててくれた両親にも申し訳ない……そう思った私は、その場で結婚式は「延期」ではなく「中止」だと言ってやりました。ゲストにも事情を話し、お食事だけ楽しんで帰宅してもらうことに……。
全部、中止!
その後、夫に連絡し「ついでに『援助』も中止です。キャンセル費用と慰謝料もしっかり請求しますので、お支払いよろしくお願いします。」
父がそう言うと、空気が一変……。実は、義父が経営している会社の取引先は、ほとんどが父の会社か子会社。かなり経営が厳しそうなので、援助として義父の会社にとってかなりいい条件で発注をしていました。
義両親はやっと事の重大さに気づいたようで、平謝りしていましたが、父の決意は変わらず。その場で部下に指示を出していました。
数カ月後。予想どおり義父の会社は経営が悪化して倒産、式場のキャンセル料と私への慰謝料の支払いに追われて、かなり厳しい生活を送っているようです。
私は、憧れだった結婚式を台無しにされたショックは大きかったものの、今は気持ちを切り替えて仕事を頑張っています。
◇ ◇ ◇
長い人生、何度も取捨選択を迫られることがあると思います。そんなとき、自分と同じ優先順位で物事を決められる人というのが、パートナー選びでは大切なのではないでしょうか。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。