こんにちは、助産院ばぶばぶ・院長のHISAKOです。生後2カ月の赤ちゃんを持つママは、訪問助産師に「この子は緊張が高い。お母さんと赤ちゃんのバランスが悪い」と言われたそうです。 おおらかに楽しみながら赤ちゃんに向き合っていただけに、その言葉はママにとってはショックでした。
ところで、赤ちゃんの緊張とはどういうことでしょうか。
緊張とは筋肉の突っ張った状態
「緊張が強い」と指摘されたのは、おそらく手足や体幹の筋肉が少し突っ張った状態にあったからでしょう。
病気や障害があれば、それを早期に発見し、適切な治療や訓練を始めることは大切です。 ですので、赤ちゃん訪問や乳幼児健診では、ちょっとでも心配なことがあれば経過観察をして問題の早期発見につなげますが、 実際には生後2カ月の時点で発達上の問題を正しく判定したり、病気の有無を判断することは困難です。
人間の赤ちゃんは、「生理的早産」と呼ばれる状態で生まれてきます。とくに生まれて数カ月の運動機能は、ほかの哺乳類に比べてとても未熟で、自力で手足を動かすことすらままならず、おっぱいやミルクを飲むのさえ、生まれ持った原始反射に頼っています。
よくうなる大きめ赤ちゃん
生後2カ月になると、ほっぺの筋肉もついてきて、一度に飲める母乳やミルクの量が急激に増えてきます。でも、まだ満腹中枢は未熟なままだから、与えられれば与えられるだけ飲んでしまい、ぐんぐん体重が増えていくことがあります。
ハイペースで体重増加する個性を持った赤ちゃんは、う〜ん……とのけぞったり、「うなり声」をあげることが多いです。ガスがおなかにたまりやすく、それが原因でおなかが張るので腹圧をかけてうなります。 また、自分で寝返りをするなど自由に動くことができないので、おなかの中のガスも同じ場所にたまりやすいです。
上記のような理由で、私の経験上、ぐんぐん体重が増えるタイプの赤ちゃんは、うなったり、泣いたり、のけぞったり、いわゆる「緊張が強い」と表現されるような状態になることが多いように思います。
でも、このパターンの緊張は、あくまで成長の過程として当たり前に認められる生理的な緊張です。発達上の問題に結びつくようなものではありませんので心配しなくて大丈夫です。
総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門助産院を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2016年に11人目を出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。