義母から孫をせかされることもストレスとなり、なかなか妊娠できなかったのではないかと今では思います。電話に出ないと、家にまで押しかけてくる義母。毎日が本当に地獄でした。
義母は夫にも孫を催促するので、夫も常にイライラ。そのストレスの矛先は私に向けられていました。私と顔を合わせたくなかったののか、平日は夜遅くに帰宅し、休日はどこかにひとりで出かけてしまう夫。だんだんと会話もなくなり、寝室も別になりました。
しかし、そのころから義母の催促がパタリとなくなり……。私は安どする反面、違和感も覚えていました。
夫から突然の離婚宣言
ある日、夫から離婚を切り出されました。ストレスから解放されつつあったので、もう少しで子どもの問題も解決されるのではないかと思っていた私は、考え直してもらえるよう説得しました。しかし、夫は義母を味方につけて、別れを押し通そうとしてきたのです。
実は最近、義母がおとなしかったのには理由がありました。若い女性を家に囲い、夫とお見合いさせていたのです。すでに夫とその女性はいい仲になっていて、私に離婚を言い渡したのでした。
「役立たずの不妊女とは離婚だ!」
彼女と再婚するため、私のことが邪魔になった夫から追い出されるようにして、私は離婚しました。
後日、慰謝料が振り込まれましたが、私の怒りとむなしい気持ちはさらに増すばかり。精神的に落ち込んだ私は、しばらく眠れぬ夜を過ごしたのです。
そしてある日、近所の産婦人科から出てくる幸せそうな夫婦を見かけ、悲しみがあふれた私。急に足の力が抜け、その場にしゃがみこんでしまいました。
そんな私を、居合わせた産婦人科の医師が助けてくれました。それをきっかけに私は今の夫とお付き合いを始め、ゴールインしたのです。
驚きの検査結果、衝撃の事実とは
夫は妊娠しにくい私を気遣い、一緒に治療しようと言ってくれましたが……。検査をすると驚きの結果が。なんと私には、なんの原因も見つからなかったのです。
そして、元夫との離婚から5年が経ったある日、おもしろいことが起こりました。娘と夫と一緒に行った公園で偶然、元夫たち家族に会ったのです。娘と同じ年くらいの男の子と一緒にいて、元義母はデレデレでした。
笑みを浮かべながら私たちに近寄ってきて、嫌みを言ってきた元夫。「やけになって子連れ男と再婚したのか」と。その発言にイラっとした私は、衝撃の事実を告白。娘は正真正銘、夫との子だとはっきり教えてあげたのです。不妊の原因が私にあったと思い込んでいる元夫は、私が嘘をついていると思ったようですが、紛れも無い真実。
すると、隣にいた夫が、急に元夫が再婚した妻にあいさつをしたのです。どうやら夫と彼女は知り合いの様子。なぜか夫の顔を見て急に慌て出した彼女は、とんでもないことを口走りました。「うちの子は、よその男との子じゃないわ」と、あえて言う必要のないことを言ったのです。それって……。
そして私は、追い打ちをかけるように、検査の結果、私は不妊体質ではなかったと元夫へ報告しました。つまりは、不妊の原因は夫にあったということ。言葉の意味を理解した元夫と元義母は、すごい勢いで彼女に詰め寄りました。
すると、開き直って、不倫の末にできた子どもだと認めた彼女。なんと元夫は、他人の子どもを自分の子どもだと勘違いしていたのです……。
彼女は、不倫相手に結婚をうながすため、夫の勤める産婦人科へ相手の男性を連れて行ったことがあるそう。しかし、その男性との結婚が叶わなかった彼女は、元夫たちをだまし、何食わぬ顔で出産したのでした。そういった経緯があったので、夫も彼女もお互いをよく覚えていたようです。
バッドエンド? ハッピーエンド?
その後、元義母と彼女は取っ組み合いの喧嘩に。その横で、泣き叫ぶ元夫。あまりに騒然とした様子に、近くにいた人が通報したようで、警察まで来てしまう事態となってしまいました。
結果、元夫は再び離婚。子どもは、別れた彼女の実家で育てられることになったと聞きました。そして彼女は、かつての私への慰謝料で作った借金に、いまだ苦しめられているようです。
おかげさまで、私は家族とともに楽しい毎日を過ごしています。今でこそ思いますが、あのとき元夫と離婚して本当に良かったです。
◇ ◇ ◇
子どもがいるかいないかで、幸福度が変わるわけではありません。この人と人生を歩んでいきたいと夫婦になったのですから、子どもを望んでなかなかできないという状況なら、2人で考えて向き合って乗り越えるべき問題のはずです。
そもそも元夫は、本当に子どもがほしいと思っていたのでしょうか。妻のストレスに気が付かないだけでなく、決めつけて、不倫までして、一方的に別れるような人です。当時は深く傷ついたかもしれませんが、離婚して本当に良かったですね。今のやさしい夫と娘と、この先もずっと幸せに暮らしてほしいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。