妊活中なのに、たばこをやめない夫
2021年、私は夫と結婚。当時私が35歳、夫は43歳で、妊娠を希望していました。結婚時すでに高齢出産の年齢にあたっていたため、急いで妊活をスタート。婦人科医の指導のもと、基礎体温の測定やタイミング法の実施など日々努力していました。同時に体を温めたり葉酸を摂取したりと体に気をつかう私を悩ませたのが、夫の喫煙です。
夫の実家は、両親兄弟全員が愛煙家。義実家にはいつも紫煙が立ち込めていて、たばことは無縁の家庭だった私にはカルチャーショックでした。夫も1日に15本ほどたばこを吸う愛煙家で、私がいても気にせず喫煙します。夫の健康を考えると禁煙してほしいのが本音でしたが、本人にまったくその気がないので諦めていました。
しかし、妊活にあたってたばこが気になるのも事実。妥協案として「そばにいるときだけは吸わないでほしい」「狭い車内に同席しているときは吸うのをやめてほしい」とだけお願いしていましたが、夫は馬耳東風でまったく意に介しません。強く意見しても下手に出ても聞く耳を持ってくれず、相変わらず私には構わずたばこを吸い続ける毎日でした。
妊娠判明と同時に出血!そのとき夫は…
ある日、お手洗いに行くと出血がありました。しかし、どうにも違和感を覚えて妊娠検査薬を使うと結果は陽性。「妊娠できたけど出血している……子どもが危ない!? 」と喜ぶ間もなく、大慌てで産婦人科に向かいました。その車中でもたばこを吸う夫を見て「この結婚は失敗だったかもしれない」との気持ちが止まりませんでした。
産婦人科での診断結果は「化学流産(生化学的妊娠)」。医師からは「染色体異常から起こるもので、母体には責任がない。防ぐことはできなかった」と説明がありました。それでも、自分を責める日々が続きます。「もっとできたことがあったのではないか。子どもを助けたかった」と考えると涙が止まらず、夫に泣いて謝ったこともありました。
夫は何も言いませんでした。ただ黙って、何事かを考えていたように思います。そして私が取り乱してしまったときには、静かに私の背中をなでていました。おなかにいたはずの子どもを思うと複雑な気持ちでしたが、なんとか気持ちを切り替えてまた妊活を再スタート。どうしてもたばこをやめない夫との間に子どもを作ることに不安は感じつつも、私ができる対応をしていくしかないなと覚悟をしました。
少し行動が変わった夫は今や「子煩悩パパ」
やがて、夫が車内での喫煙をやめたことに気付きました。運転中はたばこを吸わず、必ずコンビニやサービスエリアに立ち寄って喫煙所で吸っています。他人からのたばこの煙にも敏感になり、私のそばで喫煙する人がいるとさりげなく移動して気づかってくれるようになりました。夫は流産については何も言いませんでした。しかし、きっと夫なりに責任を感じていたのでしょう。私を気づかって行動を変えてくれたことが、とてもうれしかったです。
そして化学流産の翌年、ついに待望の妊娠! 夫は徹夜で名前の画数を調べたり、ベビー用品を準備したりと子どもの誕生が待ちきれない様子でした。途中、切迫早産(妊娠22週から36週6日までの期間において、早産になる危険性が高い状態)での入院があり夫婦でハラハラしましたが、2023年に無事息子が誕生。立ち合い出産だったため、夫は泣きながら息子を抱っこして、私に向かって「ありがとう」と繰り返していました。その後も、夫は産院に見舞いに来るたび息子を抱っこして離さず、とても大切に思っている様子でした。
息子はもうすぐ2歳になります。夫はすっかり子煩悩になり、おむつ替えや入浴などの世話を率先してするように。息子も、よく遊んでくれるお父さんが大好きです。今でも夫は、私や息子の前ではたばこを吸いません。今は家族3人で幸せに暮らしています。
まとめ
説明を重ねても私のそばでの喫煙をやめなかった夫。何度も繰り返し訴えた言葉が、流産をきっかけにしてようやく夫に届きました。声をかけ続けていなければ、夫は今も私の横でたばこを吸っていたかもしれません。懇願を続けることに疲れ心が折れそうになったこともありますが、諦めず夫に向き合ってよかったと実感しています。
これから子どもが大きくなるにつれて、家族や学校のことで衝突することもあるでしょう。そのときは夫や子どもと対話を続けて、家族みんなで問題を解決していきたいと思います。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:高野 小百合/8歳年上の夫、2023年生まれのやんちゃな息子、高齢猫と暮らすパート主婦。出産後はなかなか自分の時間が取れず、家事の時間をなんとか短縮しようと試行錯誤中。息子を連れてあちこちのレジャースポットに出没している。
イラスト/おみき
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年1月)
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