私は、実家の近くでひとり暮らしをしています。妹は今も実家に住み、トラブルを起こさないよう両親に監視されながら生活しています。これまで、たくさんの他人様に迷惑をかけてきた妹に両親も困っているのです。
結婚のあいさつのために彼が実家に来る日。
妹には内緒にしていたのですが、母と私が話していたのを聞かれてしまったようで、妹も同席することになってしまいました。案の定、甘えた声で彼にベタベタする妹。事前に事情を話して、しっかりくぎを刺しておいたので大丈夫だと思っていたのですが……。
嫌な予感は的中…?
ある日、妹と彼が2人で仲良く歩いているのを母が目撃。いつものように妹を叱り始めた母でしたが、私はそれを制止しました。一緒に歩いていただけで、浮気の証拠があるわけでもなかったので、きっと母の誤解だと話して妹を解放。母は「本当に問い詰めなくていいの?」と心配していました。
実は少し前に、私は衝撃の事実を知ったのです。先日、久しぶりに高校時代の親友と再会したのですが、それを彼に話すと何だか様子がおかしくて……。
彼も同じ高校の同級生なので、私は懐かしい思い出話をしたかっただけなのですが、彼女の名前を聞くと彼が「あの子は苦手だから結婚式には呼ばないでほしい」と言い出したのです。
私は彼がなぜそんなに彼女を呼びたくないのか気になって、こっそり彼女に聞いてみました。そして、思わぬ事実を知ったのです。
その上、妹のあやしい行動……。私の頭の中で、点と点が繋がりました。それから私は頻繁に実家に帰り、妹の行動を探りました。ある日、おしゃれをして急ぎ足で家を出た妹。そっと跡を追うと人目につかない路地裏で、彼と密会……。
「本当に好きなのはお前だけだよ!」
「大好き♡」
2人の甘い会話まで聞いてしまい、吐きそうでした。私とではなく自分と結婚しようと誘う妹に、なんと彼は「あいつを家政婦のように使いたいから結婚する」と言ったのです。
徹夜で準備したとっておきのサプライズ
頭にきた私は、披露宴で流す予定だったビデオを急きょ新しく作り直しました。寝る間も惜しんで徹夜で作業していた私に、「力作なんだろ〜、楽しみだなぁ〜♪」と言う彼。本当に頑張って完璧に仕上げたので、楽しみにしてくれてうれしかったです。
そして迎えた結婚式当日。
披露宴の開始早々、ビデオが流れ始めました。すると、顔を真っ青にして固まってしまった彼と妹。大きなスクリーンに映し出されたのは、あの日の2人の密会。路地裏で抱き合う映像に、ざわつく会場……。
そんな中、私はマイクを握って2人の浮気を暴露。そして、スペシャルゲストを会場に招き入れたのです。その人物とは、彼が苦手と言っていた私の高校時代の親友。
実は親友と彼は、私が彼と付き合う前から付き合っていて、婚約までしていたのです。「いつまでたっても結婚してくれないし、最近はなかなか会ってもくれない」と不満を漏らしていた親友。まさか私に乗り換えていたなんて、思いもしなかった様子でした。
私は親友より家事が得意で家庭的だったので、彼は私のほうが家政婦に適していると思い、乗り換えたのでしょう……。しかし、気の強い彼女に別れを切り出すことができず、ずるずると関係を続けていたのです。
ブチギレる親友に、「ちゃんとお前のことも好きだった。もっと家事ができたら、そのまま結婚していた」なんて言いますが、妹にも手を出したわけです。不誠実で最低な人間であることは間違いありません。そして彼は私に向かって、「妹とは遊びだった、今愛しているのはお前だけ」とクズ発言。
すると今度は妹が「は? 私とは遊び?」とブチギレ。しかし調べたところ、妹はバイト先の上司とも不倫していたので、人にとやかく言える立場ではありません。そのことも暴露したら、次に怒り出したのは彼。
妹のスマホを奪い、不倫の証拠を見つけ、取っ組み合いの喧嘩にまで発展してしまいました。テーブルは倒れ、きれいな装飾や食器はめちゃめちゃに。会場は騒然となりました。
結婚の約束をした彼の末路
そして、披露宴は中止。参列者はみんな私に同情し、やさしい言葉をかけて帰宅。ご祝儀はすべてお返ししました。式場への支払いや弁償は、話し合いの結果、すべて彼が負担することとなり、私も親友も慰謝料を要求する予定です。妹は、私や親友、不倫相手の奥さんから慰謝料を請求されます。
彼も妹も、今回の騒動で噂が広く知れ渡り、職場に居づらくなり退職、家族からも縁を切られました。頼る人が誰もいなくなり、慰謝料のために寝る間を惜しんで働かなければならない2人。苦労の連続で大変そうですが、自業自得です。
一方、私はこの一件で親友との絆をさらに深め、実家に戻り両親との同居を始めました。楽しくて平和な充実した毎日を過ごしています。誠実なパートナーを見つけて幸せになりたいと思います。
◇ ◇ ◇
妹と浮気、自分と結婚する理由は家政婦として使いたいから。さらには自分とは別にもう1人婚約者がいたとは……。ここまで来ると、悲しいとか腹が立つとかの次元ではないような気もしますね。とにかく、結婚する前に真実が明るみになり、縁を切ることができて本当に良かったです。今度こそ素敵なパートナーを見つけて、幸せになってほしいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。