最愛の赤ちゃんと過ごす時間は、かけがえのないものですよね。そんな幸せな日常に突如として訪れる「乳幼児突然死症候群」。元気な赤ちゃんが突然亡くなってしまう病気です。この恐ろしい病気の発症率を減らすために、ママたちにできることとは?
乳幼児突然死症候群(SIDS)とは?
それまで、すくすく育っていた赤ちゃんが、ある日突然、眠っている間に亡くなってしまう「乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)」という病気があります。
赤ちゃんが突然亡くなることは、生まれつきの病気や感染症、窒息事故などによっても起こることがあります。しかし、SIDSはそれらと異なり、何の予兆や既往歴もない赤ちゃんが睡眠中に突然死に至る、原因のわからない病気です。
日本でのSIDSの発生数は減少傾向にあるものの、平成27年を除けば毎年100人を超える赤ちゃんがSIDSによって亡くなっています。平成28年(2016年)は109人が亡くなっており、1歳未満の赤ちゃんの死亡原因としては依然第3位となっています。
発症するのは、生後2か月から6か月の赤ちゃんに多く、まれに1歳以上でも発症することがあります。寒い時期に多くが発生しています。(引用元:暮らしに役立つ情報 from内閣府大臣官房政府広報室)
出典:暮らしに役立つ情報 from内閣府大臣官房政府広報室
1歳になるまでは、寝かせるときはあお向けに!
SIDSはうつぶせ、あお向けのどちらの寝姿勢でも発症しています。しかしうつぶせに寝かせたときのほうがSIDSの発症率が高いことがわかっています。なるべく赤ちゃんの顔が見えるあお向けの姿勢で寝かせましょう。
あお向けで寝かせるなど、赤ちゃんの寝かせ方に配慮することはSIDSのリスクを減らすだけではなく、赤ちゃんの窒息や誤飲などの事故から守ることにもつながります。ただし医学上の理由などで、うつぶせ寝を推奨されている場合はこの限りではありません。
また、母乳で育てられた赤ちゃんはSIDSの発症率が低いことがわかっているほか、親の喫煙もSIDS発生の大きな危険因子とされています。
毎年11月はSIDS対策強化月間!
SIDSは12月以降の寒い時期に発症のリスクが高くなる傾向にあります。そのため厚生労働省では、毎年11月を「乳幼児突然死症候群(SIDS)対策強化月間」とし、啓発活動をおこなっています。
赤ちゃんをSIDSから守るためには、ママだけでなく赤ちゃんを見守る保護者全員が、SIDSについての知識を深め、発症リスクを少しでも減らせるよう努めましょう。SIDSやその予防方法についてより詳しく知りたい場合には、最寄りの保健所・保健センターなどに相談してみてくださいね。
SIDSは何の前触れや既往歴も無いまま、赤ちゃんが突然亡くなってしまう原因不明の病気です。この恐ろしい病気にならないためにも、例外の場合を除き、1歳までの赤ちゃんはあお向けの姿勢で寝かせましょう。
参考/子ども安全メール from 消費者庁