私が出産したころから、夫が変わってしまいました。最初に気が付いた違和感は、スマホでした。
変わってしまった夫
夫はスマホのゲームにはまってしまったようで、朝から夜中まで暇さえあればずっとゲームをしています。帰宅しても娘よりスマホと向き合っている時間が長い夫。娘が泣き出してもスマホから目を離さず、「抱っこしてあげて!」と言うと、「泣き疲れたらひとりで寝るって~」と言いながら、ゲームを続けます。そんな夫に、私は胸がざわつきました。
忘れられた大切な日
ある夜、ゲームに夢中な夫に「ねぇ、明日は何の日か知ってる?」と聞いてみました。夫は画面から目を離さずに「はぁ? そんなの知るかよ! 何の日でも俺には関係ない! 今いいところなんだから、どうでもいいことで話しかけるなよ!」と乱暴に言い放ちました。
私は一瞬、言葉を失いました。明日は娘の1歳の誕生日。前から一緒にお祝いしようと話していたのに、夫はすっかり忘れている様子でした。夫への気持ちが、一瞬にして冷めていくのを感じました。
実家へ帰る決意
翌日、夫が仕事に行っている間、私は荷物をまとめて娘と一緒に実家へ帰りました。両親と娘の誕生日会をしていると、夫から何度も電話がかかっていました。しばらく放置していたけれど、思い切って出てみると、開口一番「ごめん!」と夫の声が響きました。
「今日、娘ちゃんの誕生日だよな。昨日ひどいこと言って……俺、最低だな」「ゲームばかりして、本当にごめん。やり直したい。娘の誕生日、遅くなったけど、一緒にお祝いさせてほしい」
涙声の夫の言葉に、私は少しだけ心を開く気持ちになりました。
新しい一歩
その夜、夫が実家まで迎えに来ました。手には、大きな花束と娘のためのプレゼント。ぎこちないながらも、「本当にごめんな」と謝る夫の姿に、私も「ちゃんと変わってくれるなら」と一歩を踏み出すことにしました。
後日、改めて夫と一緒に娘の誕生日をお祝いしました。夫は娘を抱きしめながら「遅くなったけど、おめでとう」と言いました。その言葉に、私は少しだけ安心しました。あれだけのめり込んでいたスマホゲームはアンインストールしたそう。
その日以降、夫は娘にたくさん触れあい、しっかり子育てしてくれるようになりました。
これからもすれ違うことはあるかもしれません。しかし、大切なものを見失わないように、きちんとコミュニケーションをとって、もう一度夫と向き合ってみようと決意しました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。