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「お子さんの野球ボールでけがをした」と示談金を迫る近所のご夫婦→防犯カメラが捉えていた衝撃の真実は…

私は小学生の息子を育てるシングルマザー。息子にはできるだけ不自由させないよう、仕事に励んでいました。しかしそんなある日、近所に住む男性がわが家に怒鳴り込んできたのです……。

「よくも俺の大事な妻にけがをさせたな!お前の馬鹿息子が打った野球ボールが妻の顔面に直撃したんだぞ!」「顔が腫れあがって、大変なことになってる!!」「どう責任取るつもりだ!!」と言って、わが家に怒鳴り込んできた男性。挨拶を交わす程度の関係でしたが、まさかうちの子どもが奥さんにけがをさせたなんて……!

 

すぐさま息子に確認すると、息子はきょとん。「そんなことしていないよ」「そもそも野球なんてしてないし」と言われたので、男性にもそのまま伝えたのですが……?

 

 

シングルマザーを見下す夫婦

「はっ!さすがシングルマザーの子どもは嘘をつくのがうまいな!」「親も親でちゃんと謝罪もできないし」と、明らかに私たちを見下した発言をした男性。頭に血が上っていたとはいえ、その発言は許せませんでした。

 

「うちが母子家庭ということと、子どものしつけは無関係です!」「嘘をついているのかどうか、一度奥様にご確認してもらえませんか?本当にけがをさせたのはうちの子だったのか……」

 

しかし、「そう言ってうやむやにするつもりだな!?」「いいか!この件については徹底的に責任取ってもらうからな!」「治療費に慰謝料、全部払ってもらうから覚悟しておけ!金をかき集めておくんだな!」と荒々しく言って、男性は去っていきました。

 

 

 

その後すぐ、私は男性の妻に電話をかけました。

 

「旦那さんからお話をお伺いしました……。けがの具合は大丈夫ですか?」と言うと、「大丈夫なわけないでしょ!」「本当に痛いし、腫れてるし……こんな顔じゃ買い物にも行けないわ!」「お宅のお子さんのせいよ!」と奥さん。

 

奥さんも旦那さんも「うちの息子がけがをさせた」と言い張りますが、何度尋ねても息子は「けがなんてさせてない!」「そもそも野球なんてしてないよ!」と言うのです。そのことを伝えると、彼女は「な、なによ!まるで私が嘘をついてるみたいじゃない!」と言い出しました。

 

「もう少し事情を詳しく教えてもらえませんか?場所とか、時間とか……」と聞くと、「え、えっとね……そう、日曜の午後3時ごろよ!買い物して、公園の脇を歩いてたの!」「そしたら突然ボールが飛んできて、そのときにあんたの息子とバッチリ目が合ったんだから!」と彼女。

 

しかし、息子はその時間に公園にいるはずはないのです。なぜなら、私と一緒にショッピングモールへ行っていたから。そこで息子の友だちやママ友にも会っています。

 

「え?あ、その……ボールが直撃した衝撃で記憶が混乱してるの」「平日……そう、おとといの午後!平日だったし、放課後に公園で野球してたはずよ!」と、なんだかしどろもどろな奥さん。

 

「そうですか……じゃあ、診断書はありますか?」「記憶が曖昧になるくらいの衝撃だったなら、救急車を呼んだのでしょうか」「病院で診断書をもらっていれば、正確な日付がわかりますよね?」と尋ねると、「う、うるさい!」「そんなにしつこく聞かないでよ!」となぜかキレ気味。

 

「まさか、私が嘘ついてるって言うの!?」「あーもう!これだからシングルマザーは!旦那もいないくせに生意気なのよ!」「こっちはやさしさでまだ被害届を出さないでやってるっていうのに!」

 

診断書も取ってないのに、被害届なんて……。なんだか怪しいな、と思っていると、さらに奥さんは続けました。

 

「警察に通報して、あんたの息子を警察に突き出してやろうと思えばできるのよ!」「でも、私のやさしさで、あえて示談金で済ませてあげようと思ってね」「そうねぇ……200万円でどうかしら?警察には言わないでおいてあげるから」

 

そして、彼女は「これ以上の大事になれば、シングルマザーのあなたも大変でしょう?」「ただでさえ地域でも孤立してそうだし……職場でも浮いてるんじゃない?」「子どもが傷害沙汰を起こすなんて、学校に広まったらもっと居づらくなるでしょ?だから示談金さえ支払ってくれれば、誰にも言わないであげるわ」と言ったのです。

 

 

防犯カメラに映っていたのは

私はため息をついて、「それが、あなたの『やさしさ』なんですね」と言いました。

 

「でも……息子も否定していて、そして息子がやったという証拠もない」「そんな状況で示談金なんて払うつもりはありません!」とはっきり言うと、奥さんは「なんですって!?」と叫びました。

 

「あなたね、いい加減にしなさいよ!?」「これだけ譲歩してるんだから、払うって言いなさいよ!」と奥さん。「だったら証拠を持ってきてください!」と私も譲りません。

 

「お宅のお子さんが打った野球ボールでけがをしたんだからね!」

「いいから黙って、示談金200万よこしなさい!」

「息子はサッカー少年ですけど?」

「え…?」

 

 

 

息子は野球よりもサッカーが好きなのです。サッカークラブに所属していて、その練習で手一杯。なによりサッカーに夢中で、家には野球ボールもバットもありません。

 

「だからなによ!学校の友だちと草野球程度ならやってるかもしれないでしょ!」「この前、近所の公園にあんたの息子がいて、野球してて、それで私はけがしたのよ!」と叫ぶ彼女。

 

「そのことですが……息子はここ1カ月、公園に行っていません」「こちらはGPSで確認済みです」

 

私は、息子にGPS機能のついた子ども用携帯電話を持たせていました。母子家庭で留守番をさせることも多いので、ちゃんと帰宅しているか確認するために持たせていたのですが……まさかこんな場面で役に立つなんて、思いもしませんでした。

 

「え、えっと……それは……その……」「私は、記憶が曖昧で……」と言葉に詰まった彼女。

 

「やっぱり、なにか勘違いされていると思うんです」「あ!でも別に責めてるわけじゃないですよ?記憶が混乱するほどの衝撃を受けたんですもんね!」「だから、全力で犯人探しに協力します!」

 

私がそう言うと、奥さんは「えっ!?」と呆気にとられた様子でした。

 

「実は息子に聞いたんですが、今はあの公園、野球やサッカーが禁止されているんですって」「息子の友だちにもルールを破るような子はいないし……となると、真犯人を探すのは大変でしょう?」「ご近所の縁もありますし、早速学校に聞いてみますね!あと、公園のお向かいにママ友が住んでいるので聞いてみます!」

 

「そ、それはだめ!やめて!お願い!」「そこまでしなくていいから!いやむしろ何もしないで!」と奥さん。ものすごく慌てているようでした。

 

 

 

「か、顔にけがしたこともバレるし……なんだか恥ずかしいじゃない」「それに、そんなに人を巻き込んで、大事にしたくないのよ」「狭いご近所付き合いだし……」と言う奥さん。

 

「じゃあ、息子を疑われたわが家だけは証拠を……息子の行動記録としてGPSの記録、そしてわが家の前の防犯カメラの映像出しますね」「息子が帰宅した時間とGPSの記録に差異がないか確認するために先ほど防犯カメラの映像を確認したんですけど……」「あなたが旦那さん以外の男性と腕を組んで歩いているところが何度も映ってて……でも旦那さんに見せてもとくに問題ないですよね?」と詰め寄ると、「いやあああああ!お願い、それだけはやめて!」「旦那にだけは見せないで!」と懇願してきた奥さん。

 

しかし、こちらは奥さんにも、そしてその夫にもかなり辛辣に責められたのです。息子の無実を証明するためなら、私はどんな証拠だって出します。

 

「そんな、お願い、なんでもするから!」「全部謝るから……本当のことを白状するから……!」と泣き出してしまった奥さん。「旦那さんに見られて困ることがあるなら、ご自身で旦那さんに説明してください」とだけ言って、私は電話を切りました。

 

その後――。

 

 

奥さんはその日のうちに旦那さんにすべてを白状したようでした。事実を知った男性はわが家に飛んできて私と息子に土下座。そして、防犯カメラの映像を見せてほしいと頼み込んできたので、私は録画を渡しました。

 

奥さんは近所のスーパーの店長と不倫関係にあったそう。店長の妻に不倫がバレて修羅場になり、奥さんは店長の妻に殴られたようなのです。顔のけがはそれが原因でした。

 

店長の妻への慰謝料も支払わなければならなくなった奥さん。顔のけがを言い訳するついでに、うちの息子にけがの責任をなすりつけ、わが家から示談金としてお金を巻き上げようとしていたのでした。

 

結局、近所の奥さんと旦那さんは離婚。奥さんは、店長の妻への慰謝料に加え、元夫への慰謝料で借金を抱えたまま実家へ帰ったと聞きました。

 

この一件で息子の精神面に影響が出ないか心配していましたが、息子は相変わらずサッカーに夢中。ほっと胸をなでおろすと同時に、これからもしっかりとこの子を守っていかなければいけないな、と思いました。

 

【取材時期:2024年12月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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