出産祝いを兼ねて訪問してくれた友だち
子どもが生まれてしばらく会えなかった友だちから、久しぶりに連絡がありました。「出産祝いを兼ねて遊びに行くね」と言ってくれて、私はうれしくて「お祝いなんて大丈夫だから、久々に話そう」と返事をし、友だちを迎える準備をしました。
そして当日になり、友だちとの久しぶりの再会。私が「お祝いは大丈夫」と伝えたこともあってか、友だちは本当に手ぶらでした。本音を言うと少し気にはなりましたが、わざわざ足を運んでくれたことがうれしかったので、2年ぶりに会う友だちとの会話を楽しめればいいと自分の中で納得しました。
友だちの突然の行動に違和感
しかし、私はだんだんと違和感を覚え始めたのです。友だちはわが家に上がると、出産については特に何も触れず、子どもの姿を見ることもなく、家のことばかりに興味を示していました。
「すごい、きれいなお家だね。ちょっと中を見ていい?」と言うなり、友だちはいきなり冷蔵庫を開けて「わ〜! このビールおいしそう! これ結構高いビールなんだよね。私も飲んでみたいな」との発言。いかにも「飲んでみる?」という返事を待っているかのような言い方に、思わず顔が引きつってしまいました。
疲労感だけが残ってしまい…
さらに友だちはキッチンや洗面所の引き出しを勝手に開けようとしたため、「勝手に探られるのはちょっと……」とやんわり伝えました。いくら気心知れた仲でも、勝手に家の中を探られるのは不快です。
すると、友だちはニヤニヤしながら「見られちゃいけないものでもあるの? 怪しいな」と言う始末。冗談とはいえ、妙な疑いの目を向けられモヤモヤしました。
その後は椅子に座り、たわいもない話をして、友だちは帰宅。楽しい時間となるはずだったのに、はじめのやり取りが尾を引いて疲労感だけが残りました。
友だちに悪気はなかったのだと思いますが、私は久しぶりの再会を楽しみにしていただけに、少し残念な気持ちに……。今後またわが家に来ることがあれば、事前に「勝手に引き出しや冷蔵庫を開けないでね」と伝えることを心に決めた一件でした。
著者:野中 まゆ/30代女性。2022年生まれの男女双子の母。13年保育士として勤務。出産を機に退職し、現在は保育士経験や自身の子育て体験をもとに、在宅で執筆業務をおこなっている。
イラスト:あさうえさい
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年2月)