そんな私をいつも助けてくれるのが、電車で数駅のところに住む母。息子も懐いているので、安心して預けられます。
しかし先日、母と出かけている最中に息子が急にどこかへ行ってしまい、ほんの数分ですが迷子になってしまうことがあり、私はあるものを購入することに……。
お出かけの強い味方
私が購入したのは、迷子防止用のGPSキーホルダー。お出かけのときは、これを息子の服に安全ピンでつけるようにすれば、万が一、見失っても安心というわけです。実は半月後から長期出張に出ることが決まったため、購入に踏み切りました。
出張中、家事も育児も夫だけで大丈夫なのかという心配はありつつも、何かあれば駆け付けるからという母の言葉を信じ、思い切って行くことに。幸い、夫と母の関係も良好で、2人とも私が仕事をすることにも大賛成。せっかくのチャンスなので、結果が出せるように頑張ろうと思います!
1カ月後。久しぶりに夫から連絡があったと思ったら、なんと夫も息子もインフルエンザになってしまったとのこと……。そこまで熱はないようで、夫は家事もちゃんとできていると言います。息子も熱はあるものの食欲は落ちていないようなで、心配いらないと言われましたが、2人の様子を直接見ていない私は心配でたまりません。
この1カ月、夫は母の助けを借りることもなく頑張っていたようなので、こんなときくらいは母に頼ってほしいと言いましたが、インフルエンザをうつすわけにはいかないからと断られてしまいました。
夫の言うことも理解できますが、やはり私も何もせずというわけにはいかず、こっそり母にお願いをして、様子を見に行ってもらうことにしたのですが……。
夫も息子もいない…!?
「お母さん、あの子元気にしてた?」
わが家に到着したであろう母からの着信があり、私は仕事の手をとめて聞きました。
しかし、母は思いがけないことを口にしたのです。
「おかしいわね」
「家に誰もいないの」
「え?!」
夫から、インフルエンザになってリモート勤務に切り替えてもらったと聞いていたので、家にいるはず。ちょっと買い物に行くと言っても、病人の子どもを連れて行くのも考えづらいです。
母いわく、防犯シャッターが下りていて、ポストに郵便物も溜まっているらしく、合鍵で部屋に入っても誰も見当たらず、まるで何日も留守にしているようだと……。
私はすぐにGPSキーホルダーで位置情報を確認しましたが、息子のGPSは自宅のまま。しかし、こっそり仕掛けてあったもう一つのGPSが、隣町で反応していたのです。すぐに母に位置情報を共有し、向かってもらうと……。
最善の選択
息子には、どこにでも持ち歩くお気に入りのぬいぐるみがあり、洋服につけたGPSが取れてしまったときのために、ぬいぐるみにもGPSをつけておいたのです。夫には言っていなかったので、母が訪ねて行ってさぞかし驚いたことでしょう。母に気づいた夫は、顔面蒼白状態だったと母が笑っていました。
そんな夫が息子を連れて滞在していたのは、なんと元カノの家。半年ほど前に駅でバッタリ遭遇したのをきっかけに、連絡を取るようになったそうです。私が出張に行ってすぐに転がり込んでいたのです。
家事も育児も非協力的なのに、私の長期出張の話をやたらと受けるように勧めたのは、彼女の家に行きたいからという最低な理由でした。当たり前ですが、女性の一人暮らしの部屋では子どもを育てる環境は整っていません。
母が言うには、そこかしこにお酒の空き缶が置かれている状態で、これ以上孫を置いておけないと、息子は母が強制的に連れて帰ってくれました。
もちろん、私は出張を終えてすぐに離婚を宣言。最初のうちは一瞬の気の迷いだと言い訳していた夫も、私の気が変わらないことを察したのか、渋々離婚に応じてくれました。その後、結局元カノとも破局したらしく、自分がしたことの愚かさに気づいたと謝ってきましたが、自分の感情を優先して母や息子にも迷惑をかけた夫を許す気にはなれず、もちろん復縁は拒否。
今は、実家に戻って母の助けを借りながら育児と仕事を両立しています。まだまだやんちゃで手がかかる息子ですが、おかげで母も毎日のように外に出て歩き回るようになり、健康的な生活をしています。これが最善の選択だったと思えるよう、これからも仕事に育児に全力で取り組んでいきたいと思います。
◇ ◇ ◇
小さい子どもを預けて長期出張に出るのは、相当な覚悟が必要だったはず。きっと、夫が背中を押してくれたのは大きなパワーになったと思いますが、それが夫自身の愚行のためだったと思うと悲しいですね。これからは、実家のお母さんに安心して預けられるようになるので、これまで以上に仕事でも活躍してほしいです!
【取材時期:2025年2月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。