仕方なく参加した合コン
大学の友人から合コンに誘われた僕。友人は、バイト先の同僚である女性から「女の子を集めるので、合コンをしませんか?」と言われたとのこと。当時、恋愛にはまったく興味がなく、合コンなんて性に合わないと思っていました。けれど友人に頼まれて、仕方なく参加することに。
案の定、周りの盛り上がりについていけず、僕だけが浮いているような感覚……。そんな中、ひときわ目立つ女性がいました。
彼女は僕の同級生たちからの注目を一身に集めているのに、どこかつまらなさそうな表情。彼女の塩対応ぶりが逆に印象的でした。
彼女が急接近!?
そんな彼女が一度席を立ったあと、戻ってきて僕の隣に座りました。「君の隣、座ってもいい?」と。「どうぞ」と返しながらも、なぜ僕のところに?と少し不思議に思っていました。
そして、2、3会話をし、「ぬか漬け取って」と彼女から言われた際、「近いから自分で取ったら?」と答えると、彼女からは「ねえ、君は私のこと、なんとも思わないの?」という言葉が。
彼女の言葉の意味はよくわかりませんでしたが、ちょうどトイレに行きたいと思った僕は一度離席することにしました。
僕が戻ると、僕の横の席にはいまだ彼女が。そして、僕が座ると近づいてきて……「君のこと、もっと知りたくなっちゃったな」と言われたのです。
どういうことだ!?と彼女の様子に戸惑いながらも、彼女の本心が気になってしまった僕がいました。
彼女を家に招くことに
そして合コンはお開きに。このとき、僕たちのテーブルには手付かずだった料理が多数あり、僕は店員さんに相談をして、誰も箸をつけていなかった料理のうち、持ち帰ってよいと言われたものをいくつか持ち帰らせてもらうことにしました。持ち帰り容器に料理を詰めてお店を出ると……なんとお店の前に彼女が。
まさか誰かがいるなんて思っていなかった僕は声をかけられてビックリ。どうやら彼女は僕を待っていたようです。そんな彼女の視線が、僕が手にしていた持ち帰り容器が多数入ったビニール袋に……。
その瞬間、僕は「料理を持ち帰っているところを見られたなんて」と恥ずかしくなり、思わず「一緒に食べる?」と口にしていました。
意外にも、彼女からは「はい」という返事が。そして僕の家で改めて食事をすることとなったのです。
自宅では、まずは持ち帰ってきたからあげを温め、即席のタルタルソースを作って一緒に食べることに。「ん~おいしい!」と笑顔で頬張る彼女を見て、僕はなんだかうれしくなりました。
その後、彼女と連絡先を交換し、彼女は帰宅。合コンよりも短い時間でしたが、不思議と嫌な気持ちではなくて……。
恋人同士って…こんな感じ?
それから彼女は、何度も僕を食事に誘ってくれました。焼き鳥屋、和菓子屋……時には僕の家で話題のレシピを再現して一緒に食べることも。「恋人同士って、こんな感じなのかな?」と、気づけば彼女との時間が楽しいと思っている自分がいました。
そんなとき、彼女から「彼女、欲しいと思ったことないの?」と聞かれ、僕は自分の過去を話すことに。
高校時代、部活の関係で食べる量が多かった僕は、お弁当を大口で食べていたことを女子に笑われてしまったことがあり、この一件もあって女性に苦手意識を抱いていました。「今も女性の前では、食べる量はセーブしているんだ」と胸の内を明かすと、彼女から「これからも、いろいろなところでおいしいものを一緒に食べよう。私は絶対に笑ったりなんてしない。あなたが思い切り食べられるようになるまで」という言葉が。
その言葉に、胸がぎゅっとなったのを覚えています。
好きだと言えた日
それからしばらく経ち、彼女とおでん屋で食事をしていたときです。見知らぬ男性から声をかけられました。それは、以前彼女から聞いていた、「過去に好きだった男性」でした。彼女は彼に傷つけられた過去がありました。その男性は「今日も相変わらずかわいいね~。元カノじゃなくてやっぱり君にすればよかったかな~」と彼女にひどい言葉を投げかけます。彼女もまさかの言葉に「ありえない」という表情で……。
たまらず僕は口を開いてしまいました。「僕の連れです。他の女性と比べないでください」と。彼女も「いいところなんで、邪魔しないでください」とぴしゃり。その男性は身を引いて自席へ返っていきました。
「さっきは勝手なこと言ってごめん……」。店を出たあと、自然と言葉が出ていました。彼女に傷ついてほしくない気持ちでとっさに動いてしまっていて、彼女に嫌な思いをさせてしまったかなと思ったのです。そして、僕は自分の思いを彼女に打ち明けました。
「俺、君のこと……かわいいって言いそうになる」。
しばらくの沈黙のあと、彼女はにっこりと笑って言いました。
「それって……両思いってことだね。私も、あなたがかわいいと思っているし、それは大好きという意味も含んでる。きみは?」
彼女の言葉に「え?」と驚いてしまった僕。まさか彼女から「両思い」なんて言葉が出てくるとは思っていませんでした。そして彼女の言葉に、「俺も……大好きです……」と自分の素直な思いを伝えることができたのでした。
彼女は、あの合コンで他の男性陣とは違う反応だった僕に興味を持ってくれたようです。一緒に食事をする中で僕の人となりを知り、好意を抱いてくれたのだとか。
こうして、僕たちは恋人関係に。恋愛に興味がなかった僕が、本気で好きになった相手。一緒にいると自分らしくいられると思う相手です。彼女にとっても僕が「自分らしくいられる」存在でありたい。そう強く思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※この体験談は、手つかずだった料理をお店に相談のうえに持ち帰りしたというものになりますが、食べ残しの場合の持ち帰りについては、食中毒など一定の危険性があることの認識が必要です。詳しくは、消費者庁ホームページの『食べ残し持ち帰り促進ガイドライン~SDGs 目標達成に向けて~』を確認してください。
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