しかし、二郎さんは母親からの孫催促や同僚の出産報告にプレッシャーを感じ、精神的に追い込まれていました。
ある日、実家で開かれた親戚の集まりにひとりで参加した二郎さんは「子どもをつくらないなんて親不孝だ!」と親戚から一方的に責められてしまいます。
二郎さんは「実はDINKsなんだ!」「子どもを愛せる自信がない」と打ち明けますが、その思いが受け入れられることはありませんでした。幼いころに唯一心の支えだった祖父にも「甘えるな、現実を見ろ」と厳しい言葉で非難され、心が折れてしまいます。
夫婦の意向をまったく受け入れるつもりがない母
二郎さん夫婦は親戚たちの間で「“でき損ない夫婦”と呼ばれている」と責め立てる母。
さらに、結婚して子どもを産むのは人の義務だ、親不孝な子に育って恥ずかしいと泣きながら訴えます。
そんな母の言動に意気消沈し、何も言い返すこともできない二郎さんなのでした……。
夫婦のあり方が多様化する一方で、その価値観が周囲に受け入れられるのには少し時間がかかるのかもしれません。しかし、人格を否定するような言葉で責め立てるのは許されることではありませんよね。
二郎さんたちのような選択をする夫婦が周囲から偏見の目を向けらたり、無神経な言葉で傷つけられたりすることなく、自信を持って暮らせるような社会になることを願います。
尾持トモさんの連載は、ブログで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。