こんにちは! 助産師のREIKOです。これまで私が働いていた病院の例をもとに帝王切開の流れについてお話してきました。思いのほか長くなってしまいましたが、なんとなく帝王切開の流れをイメージできたでしょうか?
帝王切開って意外とラク? いやいや思った以上に大変そう……。さまざまな感想を持たれたのではないかと思います。では、経腟分娩(ママの産道を通って赤ちゃんが生まれてくるお産)と帝王切開を比べたら!? そこで今回は、”経腟分娩と帝王切開とではどっちがラク?”というお話をしたいと思います。
経腟分娩と帝王切開、どっちが痛い?
やはり、ママたちが気になるのは“経腟分娩と帝王切開、どっちが痛い?”ということではないでしょうか。
経腟分娩の痛みといえば、陣痛ですよね。ママは数分おきにやってくる陣痛と何時間も向き合わなければなりません。赤ちゃんが生まれたら、陣痛の痛みはなくなりますが、会陰切開などで傷があるママは産後もその痛みがあります。
一方、帝王切開は開腹手術。麻酔が切れたら痛みが出てきます。おへその下から恥骨の上あたりまでの傷を抱えて、翌日からは歩いたり、赤ちゃんのお世話が始まります。また、子宮自体にも傷があります。そこに後陣痛が加わるので、経腟分娩より後陣痛の痛みを訴えるママが多かったように思います。
でも、痛みの感じ方は人それぞれ。帝王切開後でもスムーズに動ける方もいらっしゃいますし、経腟分娩でも会陰切開の傷が痛くて、痛み止めのお薬を定期的に飲む方もいらっしゃいます。
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ママの回復はどっちが早い?
出産後の回復はどうでしょうか?
私が働いていた病院では、経腟分娩の場合、出産後2時間は分娩室で経過を見て問題がなければ、歩いてお部屋に帰ります。経腟分娩のママの回復状況は、やはりお産による疲労が影響しているように思います。一方、帝王切開の場合は、やはり手術後ですし、入院期間も長いことからもわかるように、経腟分娩のママより回復に時間がかかります。
経腟分娩、帝王切開に関係なく、ママの基礎体力や年齢、お産の経過、時間帯などによっても産後の回復は違うように思います。
結局のところ、どうなの?
経腟分娩にしても帝王切開にしても、同じお産は1つもありません。経腟分娩と帝王切開、両方を体験したママならどっちがラクだったか比べられるかもしれませんが、ほかの方の体験がそっくりそのまま自分には当てはまらないと思うので、簡単には比べられないのではないかと私は思います。
それでもラクなほうがいいなーって思いますよね。お産がどうなるのかは、本当に最後までわかりません。なので私は、土台づくりが大事なのではないかと思います。ママと赤ちゃんの健康、お産に向けての心構えによっても違うのではないでしょうか。
いずれにせよ、いろいろなお産に関わってきた者としては、「ラクなお産はそうそうない! みんな大変な思いをしてお産をしている。実際に産むママもそれをサポートする助産師も」ということが言えるのではないかと思います。
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