「ウエカツの目からウロコの魚料理」
元漁師、元水産庁職員と異色の経歴を持つ、魚食普及人・上田勝彦さんの『ウエカツの目からウロコの魚料理』がその本。
「魚の料理を“しくみ”でとらえてもらうための学習・実践ガイド」であり、魚の旬や下処理、調理法、レシピまでの基本のすべてが解説されています。
いやぁ、この本ね、本当に勉強になりまくっているのです。読んで作った魚料理が、どれも目が飛び出るほどの仕上がりで感動しているのです。
目からウロコ、何枚落ちたんだ!!
料理そのものは、そんなに派手さもないし、凝ったものでもないのですが、なんというか、今まで自分がいかに何も理解せずに魚介類と接してきたのか、愕然とするのです。
味がクリアになって、決まるというか、本来のありようはこれなのだな、というか。
今回作ろうと思うのは、本の中でも、気になっていたチヂミ。アサリを使って作ります。いいだしが出そうですよね。楽しみ。
ウエカツさん「アサリのチヂミ」の作り方
材料(3人分)
・アサリ…30個ほど(砂出ししておく)
・万能ネギ…1束
・酒…180ml
・薄力粉…適量
・サラダ油…少々
A
・醤油…少々
・ミリン…少々
・ゴマ油…少々
アサリは日本全国の浅い海で頑張っている食材。春の産卵後は身が痩せるから、その前と秋口が旬なのだそうです。
シンプルな材料構成がウエカツさんのレシピの特徴です。今回も期待大。アサリは今回とてもちびっこのものだったので、全部で50個前後ありますが、全部使いたいと思います。
作り方①アサリを酒蒸しにする
アサリと酒を鍋に入れて中火にかけ、蓋をして酒蒸しにします。1〜2分して殻が全部開いたら蒸しあがり。身を殻から外して殻は捨て、汁を冷ましましょう。
作り方②万能ネギを切る
万能ネギは粗く刻んでおきます。こんな感じでしょうか?
作り方③タネを作る
アサリの汁が冷めたら、汁の2倍ほどの量の薄力粉を加え混ぜます。2倍って、容量?重量?と思いながら汁の量を測ってみましたら、汁だけなら160ml、アサリの剥き身を加えて180ml。
重量でいくと320gなのですが、測ってみたらあまりにも多いので、これは容量と判断し、薄力粉をカップに入れて、およそ320mlを準備しました。
ネギを加えてさらに混ぜます。お好み焼きのタネよりも少しゆるい程度の仕上がりを目指すそう。今回はかつおだしを少し加えて伸ばしました。
作り方④焼く
フライパンにサラダ油を中火で熱し、タネを流し込みます。両面を5〜10分ほどこんがり焼いて完成です。
ゴマ油で焼くとより韓国風になりますが、アサリの味を楽しみたいので、あえてサラダ油を使うのだそうです。
格子状に切り、Aを混ぜ合わせたタレを添えていただきましょう。
濃厚なこの味すごい!
ジャーン。上手に出来たのではないでしょうか。
書籍には“1枚のどこを食ってもアサリの滋味にあふれている。横須賀のアサリ漁師の家庭料理だ”と解説されています。なるほど。
タレをつけず、そのままでいただいてみます。うん、やはりアサリから出るうまみが格別のご馳走。しっかり塩味も入っていて、そのままでも十分いけます。
タレをつけても、また最高。焼いて甘くなったネギの風味がよく合います。どうしよう。止まらない。
今度作るときは、もう少し大きいアサリで作ってみようかな。
ウエカツさん、さすがです!
チヂミのレシピって片栗粉が入っていることが多いのですが、これは薄力粉だけなのに、モッチモチです。調理そのものはとても簡単で、短時間で完成します。
写真では、薄い感じがしたのですが、しっかり厚みもボリュームもあります。お腹いっぱいになりそうだけど(3人前だけど)、延々と食べられます。独り占めしたくなってしまう。
シラスや小エビで作ってもいい味が出るそうです。だろうなぁ。
アサリとアサリのスープと酒とネギと小麦粉のみ。これで、この力強い味が出るのかと思うとちょっと感動しました。
アサリのチヂミ、おすすめです。どうぞ作ってみてくださいね。
そして、魚の扱い方がよく分からない、とお悩みの方、お好みはあると思いますが、ご紹介した本がとても参考になるかと思います。よろしければ、ぜひご一読ください。
※ミリンにはアルコール分が含まれています。お子さんや妊娠・授乳中の方、アルコールが合わない方には、加熱して煮切ってからご使用ください。