息子の純粋な疑問に、どう答える! ?
春から小学生になる息子と近所の公園で遊んでいたときのこと。公園で時々会う、少し年上の女の子が息子に「どこの小学校に行くの?」と話しかけられました。
「◯◯小学校だよ!」と元気に答えた息子。しかし次の瞬間、その子の何気ない言葉に、息子はピタリと動きを止めました。
それは、「あぁ、あそこの無料の学校ね」という一言。
その子は私立小学校に通っているようで、公立小学校を「授業料がかからない学校」と認識している様子でした。
「えっ?」と驚いた息子は、私のほうを振り向き「ねぇママ、無料の小学校って何?」と聞いてきました。突然の質問に、私が思わず固まっていると「……無料ってどういうこと?」と、さらに詰め寄ってくる息子。
内心焦りつつ、私はなんとか説明しました。「◯◯くん(息子)が行く小学校は、みんなが払うお金で運営されているから、お金を払わなくても通えるんだよ。でも、特別な勉強をする学校はお金を払って通うところもあるんだよ」と。
すると、息子は気にする様子もなく「ふーん、そうなんだ」とあっさりした反応。そして「僕は◯◯小学校に通うのが楽しみだよ!」と言ったのです。
その瞬間、私の中にあったモヤモヤがスッと消えました。学校は「お金がかかるかどうか」ではなく、「何を学ぶか」が大切。息子の純粋な言葉に、逆にこちらが教えられたような気持ちになりました。
そして、私は話しながらふと気づきました。この女の子は息子を見下すようないじわるな様子は一切なく、あくまでも「公立=無料」「私立=有料」という、驚くほどシンプルな捉え方をしているのだなと。それにしても、公立小学校が「無料の学校」と呼ばれるなんて……! そんな表現、生まれて初めて聞きました。
「無料の小学校」という言葉に一瞬戸惑ったものの、息子はすぐに「楽しみ!」とワクワクした笑顔を見せてくれましたし、それが一番だと感じました。親としてはいろいろと考えさせられる出来事でしたが、息子の前向きな気持ちに私も自然とうれしくなりました。きっと、春からの新しい毎日は素敵な出会いと学びであふれていると思います。私も親として新生活を楽しみ、子どもの小学校生活を温かく見守っていきたいと思います。
著者:森田 奈々/30代女性。2018年生まれの繊細な男の子のママ。個人ブログの運営や、ライターとして子育てに関する記事の執筆をしている。息抜きは韓国ドラマを見ること。
イラスト:ふー
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年3月)