入園式の特別な空気
会場には約80組もの親子が集まり、あたりは華やかな雰囲気に包まれていました。長女にはプレ入園の経験があったため、私自身も園の様子は分かっているつもりでしたが、やはり式典当日となると独特の緊張感がありました。
その影響もあってか、ふとトイレに行きたくなり、式が始まる前に済ませておくことにしたのです。
思わぬハプニング!
用を足してトイレの外に出たとき、プレ入園で顔見知りになっていたAさんと偶然ばったり顔を合わせました。それまで深く話したことはなかったのですが、そんな彼女が突然、私の背後にスッと近づいてきたのです。
「えっ!?」と驚く間もなく、Aさんは私の耳元で「スカートがめくれていますよ」とそっと囁き、さりげない動作で直してくれました。
その瞬間、ショックで血の気が引いた私。久しぶりのスーツで手間取っていたからか、まったく気づかないまま会場に戻ろうとしていたのです。会場には男性の保護者も大勢いらっしゃいましたし、多くの人の目に触れてしまう前に指摘してもらえたことに、心底ホッとしました。
小さな気遣いが結んだ縁
恥ずかしさでいっぱいになりながらも、私は小声で「ありがとうございます」と精いっぱい伝えました。するとAさんはやさしくほほ笑み、何事もなかったかのように会場へと戻っていきました。
そのさりげない気遣いに触れた瞬間、ただの顔見知りだったAさんとの心の距離が、ぐっと縮まったような気がしました。それ以来、私たちは会えば自然と笑顔であいさつを交わし、親しく会話をするようになったのです。
あの日の出来事がなければ、長女が小学生になった今も、Aさんとは「単なる顔見知り」のままだったかもしれません。初めての入園式でのちょっぴり恥ずかしいエピソードでしたが、素敵な縁を運んできてくれたことに、今ではとても感謝しています。
著者:岩下カナコ/40代女性。2015年生まれの娘、2017年生まれの息子、2019年生まれの双子の息子たち4児の母。育児に癒やされたり疲れたり、時には自己嫌悪したり。そんな日々を送っている。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年4月)
※AI生成画像を使用しています