息子の暴言を聞き流す夫
家族のことに無頓着な夫。ある日いきなり、無神経なひと言を放ちました。「お前さ、いつから息子に『母さん』じゃなくて『おばさん』って呼ばれているんだ?」
私もこの呼び方は嫌ですが、いくら言っても直してくれないのです。私とは口も聞きたくない様子で、怒っている理由すら教えてくれません。
「お前マジで息子に嫌われているんだな」と他人事の夫。「父親として、やめろって注意してくれたらいいのに……」と言っても真剣に受け止めてくれません。
「俺には普通だよ、母親に不満があるんだろ。小遣いを減らしたっていうから、それが原因かもな?」しかし、息子の小遣いを減らさざるを得ないのも、最近夫が散財していて家計が苦しくなったから。
苦言を呈すると、「俺は仕事の付き合いに必要な経費だ、まともに家計を管理できないくせに、俺のせいにするな!」と、自分のことは棚に上げて、聞く耳を持たない夫にも愛想が尽き始めていました。
大慌ての息子
数カ月後。20歳の誕生日を迎えた息子から、私のところに慌てふためいたメッセージが届きました。
「玄関の鍵が開かないんだけど」
「何とかしてよおばさん」
「そこは今日から他人の家だから」
「バイバイ元息子くんw」
「実の母親をおばさんなんて呼ぶような人に心当たりはありません」私は冷静に返信。実はこの間に、いろいろ準備をして手はずを整えておいたのです。
そして私は、最後の恩情と思い電話をかけました。「あなたもとっくに成人しているんだし、家を出てひとりでやっていけるよね」
そう。この家は結婚前に、私が大叔母から相続したもので、名義も私になっています。売ろうが何をしようが私の勝手なのです。
「だからっていきなり追い出すのかよ! 非常識おばさんが!」ブチギレた息子を、私は諭しました。「最近ずっと私に冷たかったよね? 話もしてくれないから、理由を聞くために強硬手段に出たんだよ」
発覚した真実とは?
すると息子はしぶしぶ話し始めました。「父さんが言っていた。母さんは浪費家で、ブランド品を屋根裏の物置にため込んでいるって。俺が大学を中退しかけて1人暮らしができなかったのも、母さんが散財したせいだって」
私は今すぐ屋根裏を見に行くよう息子に伝えました。そこにはもちろんブランド品などなく、あるのは中古の家具と家電のみ。
「あなたがいつでも1人暮らしできるようにコツコツ内職して、中古でも良い物を買っておいたの」
そして、息子に伝えたのです。進学貯金をギャンブルで溶かし、浪費していたのは父親だったこと。他に借金を作って、私が返済を手伝っていたこと。おまけに息子にウソを吹き込み、母親を悪者に仕立てたことが判明したわけです。
私は夫を追い出し、そのまま離婚しました。私に謝って改心してくれた息子は念願の1人暮らしをスタート。改めて、母子の絆を再構築すべく、頻繁に連絡を取り合っています。
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母親に対する息子の暴言の原因は、なんと夫! 散財・借金していただけでなく、息子に母親の悪口を吹き込んでいたなんて言語道断ですね。真実がわかり、息子との仲を修復できてよかったですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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