夫はわが子に興味がないの?
私は、夫がまだ父親になる実感がわかないのだと自分に言い聞かせました。
比較的軽かったつわりが、急激にひどくなったかほさん。りょうさんは積極的に家事をして、ほかにすることはないかと、横になっているかほさんに声をかけました。
「じゃ、学校行ってくる」
かほさんに頼まれたミルクティーを手渡すと、りょうさんの口から、思いがけない言葉が飛び出したのです。
「ちょっと……!」
さすがのかほさんも思わず引き止め、授業がないなら家にいてほしいと伝えます。
「俺がいたって、かほの体がラクになるわけでもないでしょ? それに、家だと勉強がはかどらな……」
かほさんは、りょうさんの言葉を遮るように「わかった、いってらっしゃい」と吐き捨てます。
すると、りょうさんは本当に出かけてしまいました。
かほさんは、妊娠前のやさしかったりょうさんを思い出して、最近の冷たい態度に不信感でいっぱいになるのでした。
妊娠中のつらさは、体の不調だけでなく、心細さや孤独感にもあります。つわりで気分が悪いとき、夫のちょっとしたひと言や態度が心に刺さってしまうことは、決して珍しくありません。
りょうさんは、一見すると家事を手伝ったり声をかけたりと気遣っているようにも見えます。しかし、かほさんが本当に求めていたのは「そばにいてくれる安心感」だったのではないでしょうか。りょうさんには、かほさんの不安な気持ちに寄り添う姿勢を、今いちばん大切にしてほしいですね。
のむすんさんのマンガは、このほかにもブログで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。