あーちゃんのことを地域包括支援センターや区役所に相談しても、一向に何の進展もないことにもどかしくなっていたワフウフさんは、人権擁護関連のネット相談も利用していました。しかし、事情を説明しているはずなのに、地域包括支援センターへの相談を促す返事が届き、ガッカリ……。そんななか、先日紹介してもらったサービス付き高齢者向け住宅の見学にも足を運びました。建物も施設内もとてもきれいなのはよかったのですが、生活のフォローは頼まないと受けられないということで、今のあーちゃんの状態を考えると厳しいと感じました。
本人の中でも辻褄が合わなくて……
財布をなくさないよう導入した腹巻型ポーチを、あっという間に紛失したあーちゃん。代わりにポシェットを購入したところ、最初のうちはちゃんと使えていたのですが、結局またなくしてしまいました。あーちゃんは懸命に言いわけをしますが、その内容も二転三転……。
仕方なく、新しいポシェットを買うことにしました。何もかも忘れているあーちゃんは「初めて」買うと思い込んでいます。
そして、改めてポシェットの使い方について確認をしますが……。
※たんたん:ワフウフさん姉妹の父。あーちゃんの夫。
父があーちゃんのお金を盗っていることに驚くところから再スタート……。
そうかと思えば、何かをなくすとすべて父のせいにする発言をします。
あーちゃんは、自分はものをなくすはずがないと言い切ります。
それで振り回されているのはこっちなのに……。
何でも父のせいにしていたと思えば、父が自分のお金を盗ったり横取りしようとしたりしていることは、まるで初耳かのように驚きます。
もう、あーちゃんの中でも辻褄が合わなくなってきました……。
先日、父からあーちゃんの財産を守るため、常に身につけていられるように腹巻型ポーチを購入しました。……が、翌日には記憶とともに腹巻型ポーチは消えてしまったのでした。そこで、今度は首から下げられる小さなポシェットを購入。こちらは腹巻型ポーチよりもあーちゃんにしっくりきたようで、しばらく洋服の下に首から下げて使われていました。
しかし、それも長くは続かず……。そろそろ定着したかと思ったころに、またポシェットはなくなってしまいました。あーちゃんは必死に言いわけしていましたが、その内容は二転三転。仕方なく、もう一度ポシェットを購入することにしましたが、あーちゃんの認識では「初めてのポシェット」だったようで、以前のポシェットの存在は完全に消えていました。
ここまでくると、お財布とポシェットの間でどれだけお金が移動しているのか、どこにいくら入っているのかが誰にもわからない状態に……。そして、ものがなくなると、あーちゃんは決まって父のせいにする発言をします。自分では、ものを置く場所は決めているから、なくすはずはないと思っているようです。それなのに、父が自分の預金を狙っていることについては、いまだに初耳といった感じで驚くので、もう本人の中でも辻褄が合わなくなっているのです……。
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腹巻型ポーチもポシェットも、一体どこへ行ってしまったのでしょうか……。ただ、一生懸命言いわけをしている姿を見ると、娘たちの前ではしっかりしている自分でありたいというあーちゃんの気持ちが垣間見える気がします。とはいえ、どこにいくらあるのかは把握しておきたいと思うので、腹巻型ポーチもポシェットも、見つかってほしいものです。
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