こんにちは! 助産師のREIKOです。妊娠中期以降になると、「妊娠高血圧症候群に注意しましょう」と産院で説明されることがあると思います。妊娠高血圧症候群って聞いたことはあるけれど、実際にはどんな症状? どんな病気? と、よくわからないママも多いのではないでしょうか。そこで、妊娠高血圧症候群についてシリーズでお話ししていきたいと思います。
基本の基本! そもそも高血圧って?
血液は動脈を通じて酸素や栄養を運び、静脈から二酸化炭素など、老廃物を回収して再び心臓に戻ってきます。血液を全身に送り出すときに、心臓は収縮し、その後いったん拡張、そしてまた収縮……を繰り返しています。
血圧は心臓が血液を送り出すときの血管を押す力といえます。血液を押し出すときの最も高い血圧が収縮期血圧(上の血圧)、拡張して血液の流れがゆるやかなときの最も低い血圧が拡張期血圧(下の血圧)です。
ご存知かもしれませんが、血圧は変動します。1日の中でも変動するうえに、運動や精神的なことでも変動します。安静にした状態で測って、収縮期血圧(上の血圧)が140以上かつ/または拡張期血圧(下の血圧)90以上の場合、高血圧と診断されます。
妊娠高血圧症候群って?
妊娠前に高血圧や尿たんぱくが見られなかった方に、妊娠20週以降分娩後12週までの期間で、高血圧または高血圧に蛋白尿が見られる場合、「妊娠高血圧症候群」と診断されます。高血圧と蛋白尿の程度で重症と軽症に分類されますが、妊娠高血圧症候群を発症した時期によっても注意が必要になります。
妊娠高血圧症候群はひとつの病気ではなく、症状が悪化することでさまざまな病状が出るので、それらを総合しているため「症候群」と言われるんですよ。妊娠高血圧症候群の主なリスク因子には、40歳以上、肥満(BMI25以上)、初産婦、多胎妊娠、以前に妊娠高血圧症候群にかかったことがあるなどがあります。
妊娠高血圧症候群と診断されたら……
妊娠高血圧症候群は、何らかの原因でママの体が妊娠に対してうまく適応できないことによって生じるといわれています。そのため、妊娠高血圧症候群の治療の基本は、「妊娠の中断=赤ちゃんを産むこと」になります。
しかし、赤ちゃんがまだ小さかったりするときは、できる限り妊娠を継続して、適切なタイミングでお産の方向にもっていきます。
妊娠高血圧症候群の症状によって、外来通院で経過を見る場合と入院が必要になる場合とがあります。次回は、妊娠高血圧症候群の治療についてお話ししたいと思います。