B男の様子がおかしい
B男からのプロポーズを快諾した私は、結婚式の準備に追われつつ、毎日を楽しく過ごしていました。ところが数日前から、B男の様子がおかしいのです。仕事が忙しいとはいえ、結婚式の打ち合わせ当日になって、「ごめん、行けないわ」とドタキャンしてきたこともありました。
さらに、B男は信じられないことまで言い出したのです。
「考えたんだけど、結婚式は中止にしよう。 金もかかるし、式なんて挙げなくても……」
すぐさま電話をかけた私は、思わず声を荒らげてしまいました。
「今さら無理よ! 招待状も送ったし、式場には前払い金も収めた。キャンセル料だってかかるのよ」
すると、B男は「話したいことがあるんだ。今夜、俺の実家に来てくれないか?」とのこと。彼は何かを隠しているよう。私はモヤモヤした気持ちのまま、その夜に彼の実家を訪れることにしたのです。
いきなりA子が登場
実家を訪ねると、インターフォンに出たのはB男。「とりあえず入れよ」と言われて家の中に入ろうとすると……いきなり女性が現れました。
「あらあんた、よく来たわね」
それは、なんと私の幼なじみのA子。過去に、私の交際相手をことごとく奪っていった女性です。そして彼女は、B男を引き寄せて腕を絡めます。
「私、B男さんと結婚するから! 今日はご両親に会うの! まだ帰ってこないけどね」
ぼう然とする私に、A子は続けます。
「私、B男さんのSNSを見て一目惚れしちゃったんだ。連絡したら、彼も私に惚れたって。あんたの彼氏っていうのはわかってたけど、私のほうが魅力的なんだから仕方ないでしょ」
怒りを通り越してあきれ果てた私は、デレデレしているB男に静かに告げました。
「そう。なら婚約はなしにしましょう」
B男の両親が帰宅すると…
B男は「本当!? あっさり別れてくれるの? よかったぁ。俺はてっきりゴネられるかと思ってたから」と満面の笑み。
そこに、ちょうどB男の両親が帰ってきました。すぐには状況をのみ込めない両親に、私は冷静に伝えます。
「突然すみません。私とB男さんの結婚はなしになりました」
「え!?」
B男の両親が困惑する中、私は今あった出来事をそのまま伝えました。
「息子さん、ここにいる私の幼なじみと浮気をしていたんです。今日は家で別れ話をしたかったそうですよ。お望み通り別れましたけど」
それを聞いて真っ青になったB男の父親は、息子に大声で怒鳴りました。
「なんてことをしてくれたんだ!! 婚約破棄なんてしたら、すべてが終わってしまう!!」
B男の父親を支えていたのは…
そう。実はB男の父は、コネクションで成り立つ業界で仕事をしており、その重要なつながりを作ったのは私の両親と弟だったのです。恩に着せるつもりもなかったのでB男には黙っていましたが、私の両親と弟のおかげで、B男の父親の人脈が広がったといっても過言ではありません。
今回の婚約破棄によって、B男の父親は後ろ盾を失うのではないかと気が気ではなく、私に低頭平伏し、B男には「お前なんて、もう息子じゃない!」と激怒。
私は、「こんな簡単に婚約者を裏切る男性に、未練なんてありません。謝られても無理です。ご希望通り別れますから、結婚式場のキャンセル料と慰謝料はお支払いくださいね」と、言い残して彼の実家を後にしました。
ボロボロのB男が現れ!?
それから1年が経過しました。両親と弟は怒り心頭で、B男の父親へのサポートを打ち切りに。私はA子のこともB男のことも記憶から抹消し、気持ちを新たに充実した日々を過ごしていました。
そんなある日、会社を出た直後に暗がりから男が飛び出してきました。
「俺、やっぱりお前とやり直したい。 A子はひどい女だった……。俺が悪かった、お願いだから助けてくれよぉぉぉ」
それは、ひどくやつれたB男でした。どうやら、父親の事業が立ち行かなくなったうえ、A子にさんざん貢がされてから浮気されてフラれたのだとか。式場のキャンセル料と私への慰謝料を払ったのち、親から絶縁され、最後には借金を抱えて助けを求めてきたのです。
私は深いため息をついて言いました。
「今さら元に戻れるなんて、どうやったら思えるの? 私は新しい人生を歩んでいるんだから、もう付きまとわないで」
こうして、私から見放されたB男は泣きながら去っていったのでした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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