夫は少し子どもっぽいところがあるけれど、やさしい人だと思っていたのです。
突然の同居話、夫の返事は!?
結婚から半年後、義父から夫に電話が入りました。
「よかったらうちで一緒に住まないか? 家は広いから部屋は余ってるし、月に8万円を家に入れてくれたらそれでいいから。考えてみてくれ」
てっきり断ると思った夫は、あっけらかんと言いました。
「このマンション、家賃が高いから、うちの実家で同居しよう!」
最近ゲームに課金してばかりいた夫は、お金に困っていたようでした。私に相談もせず、勝手に2人で住んでいた賃貸マンションを解約したのです。
あまりのことに私は母に電話し、涙をこぼしました。頼りない夫に不安になりつつも「赤ちゃんのために頑張る」と同居を受け入れることにしたのです。
夫が勝手に妻の財布に手を伸ばして
義実家での暮らしは、意外にも穏やかでした。ほどなくして、無事に子どもを出産。
義両親も義姉も、率先して家事や育児をしてくれて「これならやっていけるかも」と思いました。
でも、夫だけは違いました。
私にだけ冷たく、思いやりが感じられない言動が続いており、不信感を募らせていたある日、私の財布からお金を抜き取っているのを見つけてしまったのです。
夫を問い詰めると、「ゲームに課金してて、お金足りなくなったんだよね~」と、悪びれずに言いました。
義母の言葉に立場が逆転して
「勝手に人のお金を取っておいて、謝らないんだね」と詰め寄ると、夫は逆ギレ!
「文句があるなら離婚しようぜ! 他人は今すぐ出ていけ!」
私は静かに答えました。
「……わかった。離婚しよう」
すると、話を聞いていた義母が「出て行かなきゃいけないのは、私たちの方よ」と口を開き、その真相を明かしてくれました。
自分の足で歩みだす
「ローンが払えないという話をあなたのご両親に話したら、家を買い取ってくれたの。でもそのまま私たちを住まわせてくれていたのよ。『娘たちには内緒で』ってね」と真実を話してくれたのです。
「息子が迷惑をかけてごめんなさいね。私たちは息子と縁を切って、自分たちの力で生きていくわ」と、謝ってくれました。
私は娘を連れて実家に戻り、離婚届を提出しました。夫から何度も連絡が入っていましたが、応じていません。
やさしい義家族には感謝しています。でも、「共に歩む相手」が違えば、幸せにはなれません。「誰かに振り回される人生は、終わりにしよう」と決めた私は、新しい仕事を始めて、一歩踏み出しました。
今、小さな娘と小さな自由を抱えて、自分の力で前を向いています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。