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「低学歴なヤツらは要領が悪すぎ」イキり新人に大型プロジェクト進行をすべて任せた結果

会社員をしている私は、大学卒業後に国内大手の企業に入社し、日々切磋琢磨しています。努力のかいあってか、上司や後輩たちから頼られるチームリーダーになり、取引先の信頼も得ることができました。そんな中、新入社員のA山が配属されると、状況が一変したのです。

 

衝撃の新人登場

ある日、職場に新卒のA山が配属されてきました。

 

「どうも、新入社員のA山です。T大卒で何でもできちゃう天才です」と、自己紹介から強烈な自信を見せつける彼に、私は一気に不安に。翌日以降も、「俺はひとりでも大丈夫、できが違うので」と勝手にいろいろ物事を進めようとします。

 

「待って。会社にはチームがあって、協働することが大切なの。報連相もそのために……」と説明しても、「リーダーなのに考えが古いなぁ。俺はチームなんて不要っす」と鼻で笑うような返事です。

 

私は強く出ず、「それならお手並みを拝見させてもらう」と受け流すことにしました。彼の態度は改善するどころか「高学歴だとこんな計算一瞬。マジで資料とか冗長すぎっすよ」と、他の先輩や同僚たちをも見下した発言を連発し続けました。

 

挙句には、「掃除のおじさん、いつもご苦労。ついでにこれも捨てておいて」などと、小間使いまでさせる始末です。優秀ではあっても、他人を尊重しない彼の言動に、私は頭を悩ませていました。

 

超重要プロジェクトを一任!?

そんな中、社内で重大な発表がありました。「今度、国内大手の企業と、大金が動く共同プロジェクトをすることになった」というのです。そしてなんと、私のチームが担当に任命されました。

 

この朗報には皆は大盛り上がり。「このチームに入ってよかったです!」「全員で協力して頑張りましょう!」と、団結していたのですが……。ここでもA山が場の空気を壊しました。

 

「その程度のプロジェクトにチーム10人が参加? 俺ひとりで余裕っす! 低学歴は要領悪いから、皆は他のことをしていてくださいよ」と言いだしたのです。さすがに頭にきた私は、「じゃあ、あなたに任せるわ」と、A山に一任する形を取りました。

 

彼にも試練が必要と判断し、他のメンバーには別の仕事を振ったのです。もちろん、上司にも経緯を報告済み。これは、彼にチームの意義を学んでもらうための私なりの賭けでした。

 

 

暴走の果てに…

プロジェクトの開始まで、残り2週間。私は改めてA山を会議室に呼び出し、進捗を確認しました。

 

「どこまでできたか見せて」と尋ねると、しぶしぶパソコンを見せてくれたのですが……。導入のみで、重要な本題はまったくの手つかず。「全然終わっていないじゃない! 今まで何をしていたの?」と思わず声を荒らげてしまいました。

 

「だって、大量の調べ物に資料のまとめ、データ集計が重なって……。でも俺なら、2週間あれば何とかなるはず……」と言うA山。どう仕上げるつもりか問いただすと、しどろもどろです。あれほど自信満々だったのに、この体たらくは何でしょう。

 

私たちは、A山の無責任な自信の下に、どれほどのリスクが隠れていたかを目の当たりにしました。

 

「A山さん。自分だけでできないと思ったら、助けを求めなさいよね?」「そんなの…俺のプライドが……」

 

「あなたのプライドなんてどうでもいい! 万が一、このプロジェクトがとん挫したらどうするの? 会社にも膨大な損失が発生して、信頼を失うのよ! だからチームで働くの。この意味、わかった?」

 

ついに露呈

しかしA山はまだ言い張りました。「もう少し時間があれば、俺ひとりでうまくやれるんだ!」

 

すると、そこにモップを持った掃除のおじさんが登場し、「うまくいくわけなかろうが!」と一喝したのです。A山は仰天。「掃除のおじさん……。ここは会議をするところだろ、さっさと出ていって……」

 

「何を言う。君に任せていたら、プロジェクトが失敗しそうなんだろ? 私の会社でまぬけな失敗など許さんぞ!」「お祖父ちゃん、心配しないで。ちゃんと私がフォローするから……」

 

「私の会社!? おじいちゃん!?」と、さらに目を白黒させるA山に、私は説明しました。

 

「彼は私の祖父で、この会社の創設者。10年前に引退して、清掃員をしながら職場を見守っているの。知らない人も多いけどね」

 

一番大切なことは

祖父は熱弁しました。「君は高学歴かもしれんが、社会に出たら赤ん坊と一緒だ。先輩は後輩に教え、後輩は先輩に教わって、どうしたらうまくいくかを考え、失敗と成功を繰り返すのが人間! くだらんプライドや過剰な自信は無意味。頭が良い君ならわかるはずだろ?」

 

これを聞き、真っ青になっていたA山が顔を上げ、謝罪したのです。「す、すみませんでした! 俺が間違っていました。謝らせてください……」

 

「ここから変われるかどうかはあなた次第。チームを大事にして先輩をリスペクトしてね」と言った私に、彼はこっくりうなずきました。

 

「じゃあ、さっそく皆で手分けしてプロジェクトを成功させるわよ!」

 

実は私は、A山の知らないところで、プロジェクトの準備のフォローを他のメンバーに頼んでいました。そのおかげもあり、改心したA山が尽力したことで、無事にプロジェクトは成功したのです。

 

それから月日は流れ、A山の入社から1年がたちました。今では彼も、チームワークの大切さを十分にわかってくれています。これなら、次の大型プロジェクトも任せられそうです。

 

--------------

学歴自慢で自意識過剰だった新人社員。しかし、大型プロジェクトをひとりで完遂するのはやはり至難の業ですよね。チームはそのためにあるもの。皆で協力しあって何かを達成することの大切さを肌で学べて、良い経験になったのではないでしょうか。

 

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

 

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