もともと、家事が苦手な人だというのは分かって結婚しました。けれど、子どもが生まれても努力すらしない夫。家事も育児もすべて私任せで、夫に対して不満が募っていました。
協力ゼロ、妻を見下す夫
在宅で仕事をしながら家事と育児をこなす私に、夫は冷たく言いました。
「俺は毎日外で働いてるんだよ! 在宅で仕事なんて、俺に比べたら全然ラクだろ?」
息子が泣けば、「うるさい。早く泣き止ませろよ!」「母親なのに泣き止ませられないの? 無能じゃん」とまで。
私もいっぱいいっぱいで「週末くらいやってよ」と頼んだこともありましたが、「俺は男だぞ? そんなことできるかよ」と言い、ひとりで出かけてしまいました。
私の心は、少しずつ冷えていきました。
夫の「逃げ」と私の決断
ある週末、家に帰るとテーブルに置き手紙が。
『家にいても怒られるだけだから、アパート借りたから、週末はそっちで過ごします。休みは休むためのものです』
もう限界でした。私は夫には内緒で、私の両親にすべての事情を伝え、家に来てもらうことにしました。
家族総出の大作戦!
次の週末、夫がアパートに行く準備をしていると、私の両親が泊まり込みの荷物を抱えて登場。さすがに気まずいのか、夫はアパート行きをやめ、自宅に残りました。
私が息子の世話をしている間、父は「おい、家事はチーム戦だぞ!」と夫に家事を指南。「手際が良くねぇなぁ? でも、こりゃ鍛えがいがあるな」と、洗濯の方法を伝えていました。
最初は不服そうだった夫も、両親に褒められるとまんざらでもなさそうな様子。私も「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えるよう心がけました。
すると夫は少しずつ、家事も育児もできるようになっていったのです。
夫のその後
両親は1カ月ほどわが家に泊まり、家事育児を手伝いながら、夫に教えてくれました。帰るころには、夫は息子のお世話をひとりでこなせるようになり、泣き止ませる大変さも分かってくれました。
家事のやり方を学んだことで、これを私が息子の面倒を見ながら、仕事もしながら、ひとりですることがどれだけ大変だったか思い知り、深く反省したようです。
私は、「あなたが変わってくれなかったら離婚するつもりだった」と本心を伝えると、夫は深々と頭を下げ、「今まで本当にごめん。アパートは解約した。これからは、俺もちゃんとやる。一緒に育てていこう」と謝罪してくれました。
息子にあまり関心がなかった夫ですが、関り合いが増えたことで息子もかなり懐いて、今では溺愛し、かわいがっています。
夫婦間で大切なのは、歩み寄る気持ちと、思いやりだと思います。あのとき、諦めなくて良かったと今では思えるようになりました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。