ここ最近の夫は態度も言葉も横柄になって、そして何より、育児も家事も全然してくれなくなりました。毎日帰りは遅いし、土日も接待で留守にすることが多いです。
スマホも肌身離さず持つようになって、私は「もしかして不倫している……?」と疑い始めました。しかし、怪しいとはいっても証拠はなく、毎日子ども2人の育児でバタバタしている私にはどうすることもできなくて……。
俺はいつ離婚しても構わない!?
夫が接待ゴルフに出かけたある週末、父から電話がかかってきました。どうやら父と夫は、偶然同じゴルフ場でプレーしていたようで、夫を見かけた父は、「人違いじゃないよな……?」と私に確認してきたのです。
私は夫がどこのゴルフ場に行っているのか知らなかったので、父が見た人物が夫かどうかは不確かでしたが、私は父から衝撃の事実を聞かされ……。
その日、夫が帰宅したとき、私はちょうど子どもたちを寝かしつけてる最中でした。しかし、夫は雑に扉を開けて「おい、メシ。腹減った」と私に声をかけてきます。もう少しで寝てくれそうだった子どもたちは目を覚ましてしまい、私はブチ切れ寸前。必死に怒りを抑えて、作り置きのおかずを自分で温めてと伝えました。
すると夫は、急に怒り出して「俺は接待で疲れているんだ、お前がやれ、早くしろ」と声を荒げたのです。私はイライラしながら、なんとか子どもを寝かしつけ、やっとのことで夫の食事の支度をすると、夫は「いつまで待たせるんだ、ぐうたら専業主婦」と私をののしりました。
「お前たちの服も食事も俺が稼いだ金で出してる」「俺が養ってやってる」「誰のおかげで生活できているか言ってみろ」などと、稼ぎでマウントを取ってくる夫。そして、「旦那様に逆らったら離婚だ! 俺を敬え、言うとおりにしろ」と脅してきたのです。
さらに夫は、記入済みの離婚届をテーブルに叩きつけ「無職で子ども2人を抱えて離婚なんて無理だろ? 離婚したくないなら態度に気をつけろ。俺はいつ離婚しても構わないからな」と警告してきました。
私はその晩、父から聞いた事実と、夫の言動を振り返り、この先のことについて真剣に考え、離婚を決心。翌朝さっそく両親に連絡し、引っ越しの手伝いをお願いしました。
父がゴルフ場で目撃した接待中の夫
両親は、私の引っ越しを手伝うため、すぐに飛んできてくれたのです。私たちが荷物をまとめ、運び出していると、のそのそと夫が起きてきました。私の両親がいることに気付いて驚いていましたが、父から昨日ゴルフ場で見かけたと言われ、さらに驚いた表情を見せて青ざめる夫。
「最近の接待では、キャピキャピした派手な女性と腕を組んでゴルフをするのか」と父に聞かれ、夫はダラダラと汗を流し、ビビりまくり。まもなく義両親も到着すると知ると、今度は悲鳴を上げました。直接、離婚の報告をしようと義両親にも今朝のうちに連絡しておいたのです。
離婚と聞いて、「はぁ!?」と驚く夫ですが、記入済みの離婚届を突きつけてきたのは夫です。両親にも義両親にも離婚の承諾はもらったので、あとは提出するのみ。
義両親が到着すると、父が昨日見た夫の悪行を話し始めました。そして夫は観念したのか、半年も前から会社の後輩と関係を持っていたと認めたのです。
もう言い逃れはできない夫は…
父は、ゴルフ場での接待には見えない夫と不倫相手の親密な様子も、その後2人がゴルフ場近くのホテルに入っていった姿も確認していました。もう言い逃れはできないと思ったのか、夫は泣きながら土下座をして、謝り始め……。
夫は「彼女とは遊びだった。すぐに別れるから許してくれ」と言ってきましたが、どれだけ謝られても私は許す気になれません。義両親は深々と私に頭を下げてくれて、慰謝料も養育費もきっちり払わせると言ってくれました。
夫には「彼女とお幸せに」とだけ伝え、すべての荷物を運び出した私は義両親にあいさつをして、子どもたちを連れ、両親と一緒に家を出ました。そして、実家へ向かうその足で役所に離婚届を提出し、最後にその旨を義両親と夫に報告。
実家に戻った私は、両親に育児を手伝ってもらい、仕事に復帰し、今は忙しくも充実した毎日を送っています。義両親もときどき実家に遊びにきてくれて、子どもたちと遊んでくれています。これから先も義両親とは仲良くしていきたいと思います。
◇ ◇ ◇
夫婦とは対等なパートナーであり、経済力を理由に相手の尊厳を傷つけることは、幸せな関係を自ら壊す行為にほかなりません。相手を支配するための脅しのつもりが、夫は結果として自らの首を絞めることとなってしまいました。誠実さを欠いた態度は、大切なものを失う結果につながるものなのかもしれませんね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。