理不尽な「お局」と消えたお菓子
職場で資料作成を頼まれていた私。期日は翌々日だったにもかかわらず、先輩女性社員のA子が、「社会人なら2日前までにやって当然。役立たずね!」と説教してきます。
実はA子は20歳年上の「お局様」。特に若い女性社員に対して厳しく、間に入る私にもきつく当たることが多いのです。
そんなある日。若手社員が持ってきてくれた旅行のお土産のお菓子が、またたく間に消えていました。
「実は私、給湯室からA子さんが両手いっぱいにお菓子の包みを持って出てくるのを見たんです!」
後輩からそんな証言を聞いて私もビックリしましたが、確認のためA子の席に行ってみると……。デスク上に、丸められた焼き菓子の包みが数枚散乱しているではありませんか!
私は、「お土産は皆で分けてください」と訴えましたが、A子は逆ギレ。「これは拾ったの! あんたたち若い女は私を陥れようとしているのよ!」と妄言まで飛び出す始末でした。
何で私が??
その数時間後……。なんと私は部長室に呼び出されました。部長の隣にはA子がふんぞり返っています。
「聞いたぞ! A子さんを泥棒扱いしたそうだな!」「はい?」
「言い訳しても無駄だ! 若い女性社員で徒党を組んで、彼女を陥れようとしているんだって?」
これには仰天。「そんなことするわけないじゃないですか!」とすぐに否定しましたが、あろうことかA子が泣きだしたのです。
「この人たちは年配の私をバカにしているんです。私が美魔女だからってねたんで……。私の出世を妨害しようとしているんだわ! 私は皆と仲良くしたいのに、泥棒扱いしたんですよ……」と白々しい演技をしています。
最終的に、私が「反省文」を書かされることに。部長の目の前でA子に謝罪までさせられました。
「あいつ、頭を下げる私を見て笑っていた……確信犯だ!」と、私は怒りに震えながら帰宅したのです。
裏があるはず!
帰宅後、怒りを爆発させた私。ちょうどアメリカから帰省中の弟にグチを聞いてもらいました。彼は、ビジネスリレーションシップマネジメント(企業が顧客やビジネスパートナー、社内の他部門との関係を戦略的に構築・維持・強化するための管理手法)の専門家として米国で活躍中なのです。
「うーん、部長がA子さんの話しか聞かないのは、いくら何でも変だと思わない?」と冷静な指摘。「その部長とA子さん、プライベートなコネクションがあると思うよ!」とほぼ断言しました。
いやそんな、安っぽいメロドラマじゃあるまいし……と思っていた私も、2人の身辺を調べてみようと決意。弟のアドバイスを受けつつ、ベタな手ですが、尾行してみたのです。するとその結果、案外あっさりととんでもないことが判明したのです。
数週間後……。すべての証拠が集まったので、私はついに行動に出ることに。決行日は、ある連休明けの月曜日としました。
お土産がない!?
「連休明けはお土産だらけで最高ね~! 今日はどんなお菓子があるのかしら?」
連休明けは必ずといっていいほど、誰かのお土産を目当てにしているA子は、鼻歌を歌いながら給湯室へ向かっていきました。でもそこにはお土産など皆無だったのです。
「あれ? お土産はどこ? ちょっと、誰か知らない?」と、後輩社員に詰問するA子。
「え? 買ってきていませんが……」「なんでよ? まさか私だけ仲間外れにするつもりなの!?」と、A子が声を荒らげたので、私は後輩社員をかばうように間に入りました。
「A子さん知らないんですか? お土産を会社に持参するのは禁止になったんです。私が人事部に直訴したので。皆の負担にもなっていましたし、今どきそんな風習は古いですものね」
「あんた、私への嫌がらせでそんなことを……見ていなさいよ……!」
A子はプンプンしながら踵を返してどこかへ立ち去りました。まあ、行き先はわかっています。どうせ部長のところでしょう。しかし、部長に言いつけに行くのも狙い通りでした。
動かぬ証拠
それから1時間後、私は案の定、部長に呼び出されました。「まだ君はA子さんに嫌がらせをしているのか! いいかげんにしろ! 変な直訴までしやがって……」
そこで私はポケットからスマホを取り出し、ある動画を再生しました。
「これはお土産泥棒を突き止めるために、しばらく給湯室に設置しておいたカメラの映像です。もちろん人事部の許可を得て。お土産を根こそぎ強奪していくA子さんの姿が映っていますね」
部長は証拠を見て息をのみましたが、高圧的な姿勢は崩しませんでした。「土産くらいで騒いで心が狭いんじゃないか?」
「では次にこちらをご覧ください」
続いて私が見せたのは、尾行の際に撮影した映像。映っていたのは、公衆の面前でイチャついている部長とA子の姿でした。弟の予想通り、彼らは不倫関係にあったのです。
その後、2人は社長に呼び出され、職場の秩序を乱したとされ降格、謹慎に。部長は慰謝料を請求されて離婚し、子会社に異動となりました。お局A子も自主退職。惜しまれもせず、静かに会社を去っていったのです。
こうして、私たちの職場はこれまで以上に働きやすくなりました。
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お土産をネコババするとは、何とも情けないですね。それどころか部長と不倫というのは救いようがありません。お局の退職は正に自業自得。働きやすい職場環境になってよかったのではないでしょうか。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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