夫に協力してもらっちゃいけないの?
ある日の午後、私は前日に食べた魚介類が原因と思われる食あたりで、嘔吐下痢の症状に見舞われ39度を超える高熱が一気に出たため、寝込んだまま身動きできない状態になりました。幸いにも、3歳の息子と1歳の娘は元気いっぱいでお昼ごはんもモリモリ食べており、夫も朝私が見送ったときには体調不良の様子はなく、通常通り出勤して不在でした。
子どもたちが遊びまわるリビングに続く隣の寝室で、扉は開けたまましばらく横になっていたのですが、時折襲ってくる吐き気で子どもの相手もできず、夕食の下準備もできなかった私。限界を感じて、夕方になってから夫にヘルプの連絡をいれました。夫がなんとか仕事の都合をつけて早めに帰宅してくれたため、子どもたちの入浴と夕食をまかせられて私は夫へ「ありがとう」と伝えほっとしたのです。
本来なら、翌日は大事な会議があり新幹線で出張の予定だった夫。しかし翌日も、私の体調がまったく回復しておらず熱も下がっていなかったので、申し訳ない思いで「ごめん」と言う私に夫は嫌な顔一つせず会議をキャンセルし、子どものお世話から食事や洗濯などまで、家事全般を引き受けてくれたのです。おかげで私は、体調不良3日目もまだ仕事ができる状況ではなかったものの、最低限の子どもの世話ができるほどに回復。夫にも感謝の気持ちを込めてお弁当を作り、仕事へ送り出しました。
しかし後日、電話で何気なく母にその話をしたところ、なぜか怒られたのです。「母親として自己管理ができていない!」「仕事をしている夫を休ませるようなことなの!?」と、電話越しに耳が痛くなるほどの剣幕でした。体調を気づかってくれるどころか、「あなたが悪い!」の一点張りに、私はうんざりして何も言い返さず電話を切りました。
とはいえ、母からの理不尽な批判に納得がいかず腹立たしい気持ちが収まらなかった私。翌日、思い切って母に電話しました。「昨日の話、やっぱりちょっと納得いかないわ。私は本当にどうしようもないくらい体調が悪くて、子どもたちをひとりで見られなかったの。『母親として自己管理ができていない』とか、『仕事をしている夫を休ませるな』って言われたのは正直驚いたし、すごく傷ついた」と落ち着きつつも怒りを込めて言うと、「でも、あなたがもっとしっかりしていれば……」と母は食い下がってきます。「それは違う。体調不良は誰にでも起こるし、私が管理できなかったわけじゃなくて、ただの偶然で、どうしようもないときもあるでしょ。夫がサポートしてくれたから私は回復できて、子どもたちの世話も最低限できるようになったの。それを批判されて、とても悲しい。それに、夫を休ませるなって言うけど、私だって夫が同じように体調不良でどうしようもなくなったら休みを取るよ。共働きなんだから、協力するのは当たり前だと思う」と私は一気にまくし立てました。すると、母はしばらく沈黙してから、「ごめん、言い過ぎたわ。あなたが体調不良だったと聞いて、私はすぐに行ける距離ではないし、活を入れるつもりでつい厳しいことを言ってしまったの。でも、あなたが頑張っているのはよくわかってるよ」と、ようやく理解してくれたたのです。
母はやさしい人なのですが、実の娘だからこそ厳しくなってしまうということでした。しかし、実の親子だからこそ自分の気持ちをきちんと伝え、納得のいく形で母ともギクシャクせず解決できたことに満足できました。これからも両親や夫とお互いに支え合いながら、大変なことは協力して乗り越えていこうと心に誓った一連の出来事でした。
著者:川中あいこ/30代・ライター。マイペースな3歳の息子と、おてんばな1歳の娘を育てるママ。夫は帰宅時間が遅く平日ほぼワンオペ。転勤族で、日本中のおいしい物が食べたいと思っている。老後はどこに住むか想像するのが好き。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年2月)
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