ママ友宅へ遊びに行くと、たまみさんはお菓子を大量に食べ、手ぶらで来たのに残りを持ち帰るなどの非常識な行動で周囲を驚かせます。
さらに保育園の友だち・つむぎちゃんの服がブランドもののお下がりだと知ると、一方的にねだり、きっぱりと断られても引き下がりません。その結果、ママ友たちに距離を置かれてしまいました。
そして職場でも、同僚が「みなさんでどうぞ」と差し入れたお土産を、たまみさんがほとんど取ってしまったことで、全員に行き渡らずトラブルに発展します。
しかし、たまみさんがこれほどまでに「タダ」に執着するのは、「タダより安いものはない」「もらえるものは全部もらう」「くれない人はケチでいじわる」と母親に教え込まれた教訓があったからでした。母親から教わった通りに生きているのに、周囲から孤立したように感じていました。
それから数カ月後、娘のまいちゃんが小学生になりました。
小学生になった娘の放課後
小学生になったまいちゃんは、学童には通わず、ひとりで過ごす“鍵っ子”に。
放課後はよく、ゆいかちゃんの家へ遊びに行っています。
たまみさんが、「ゆいかちゃんってどんな子?」とたずねると、まいちゃんはうれしそうに「ネックレスくれたよ」「ゲームももらったの!」と、次々に“もらったもの”を話し始めました。
「いい子だね、ふとっぱらだね」とさすがのたまみさんも、少し驚いた様子。しかしそれ以上は深く聞くことはありませんでした。
「もらえるものは、全部もらう」といった価値観で生きてきたたまみさんですが、まいちゃんから「ゲームソフトをもらった」と聞いたときには、さすがに驚きの表情でしたね。無邪気に喜ぶ娘をほほえましく感じる半面、「そんな高価な物、本当にもらったの?」と違和感を抱いたのでしょう。
たまみさんは、高額な商品を小学1年生の子ども同士でやり取りしていることがそもそも「良くないこと」だと娘に教えるべきですが、「もらえるものは全部もらう」という母親の教えにより、この異常さに気付けない様子。
なにが正しいのか、いけないことなのか、しっかり子どもに教えられる親でありたいですね。
神谷もちさんの連載は、ブログでも更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。