眠っていた20代のドレスを引っ張り出した日
おいっ子が結婚するという知らせを聞いたとき、「もうそんな年齢になったのか」と時の流れの早さに驚きました。28歳になった彼は、帰省のたびに、私の子どもたちと遊んでくれるやさしい青年です。その彼の晴れの日に家族全員で招待されました。
華やかな場に胸が躍る一方で、ご祝儀に会場までの交通費、家族全員の衣装代などの出費が気になりました。夫はネクタイを新調するだけで済みましたが、私はどうするか悩みました。「新しくドレスを買うのはもったいない」と思い、クローゼットの奥底に眠っていた20代のころに購入したドレスを引っ張り出しました。「これを着れば大丈夫」と安易に考え、特に試着もせずに結婚式前日を迎えてしまったのです。
鏡の前でがくぜんとした瞬間
結婚式前夜、念のために取り出したドレスを着てみたところ、鏡の前で固まりました。かつて自信を持って着ていたドレスが、今の私にはまったく似合わないのです。丈が中途半端な膝下で、シルエットも体型に合っていません。20年前の自分と現在の自分との差を、ドレス1着で痛感しました。
しかし後の祭り。新しいドレスを買いに行く時間もなく、そのまま結婚式へ向かいました。会場に到着するとさらにショックなことが待っていました。おいっ子の同世代も、私と同世代の女性たちも、皆ロング丈のエレガントなドレスを身にまとっていたのです。「あぁ、トレンドはこんなに変わっていたのか」と遅ればせながら実感しました。時代の流れについていけてない自分に少し落ち込みながらも、式は無事に終わりました。
日常から離れた特別な時間
子育てが始まってからは、服選びはすっかり変わっていました。おしゃれよりも実用性重視。汚れても平気で、洗濯機でガンガン洗え、乾燥機にもかけられる服が最優先でした。
しかし、今回の結婚式は、「私の見た目」を久しぶりに意識する貴重な時間となりました。他の参列者の装いを見て、少し恥ずかしい気持ちになりながらも、日常とは違うきらびやかな空間に身を置くことで、新鮮な感覚を味わえました。育児や家事に追われる中で忘れかけていた、自分らしさを取り戻すきっかけになったのです。
まとめ
結婚式は、終始和やかな雰囲気で進み、おいっ子夫婦のやさしい人柄が表れたすてきな式でした。私は自分のドレスのことが気になりつつも、2人の幸せそうな姿を見ているうちに、心が洗われる思いでいっぱいに。子どもたちも親戚と再会でき、「結婚式って楽しいね」と目を輝かせていました。家族全員で参列できて本当によかったと思える1日でした。
今後ドレスを着る機会があれば、次こそは、40代の今の自分に合ったドレスをリサーチし、しっかりと準備したいと思います。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:岩下カナコ/40代女性。2015年生まれの娘、2017年生まれの息子、2019年生まれの双子の息子たち4児の母。育児に癒やされたり疲れたり、時には自己嫌悪したり。そんな日々を送っている。
イラスト/マメ美
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年4月)
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