夫と共に双子たちの歯科健診へ
双子たちはじっと座っているのが苦手なので、健診の待ち時間や講話中をどう過ごさせるか不安を抱えながら会場へ向かいました。
会場にはおもちゃがなく、置かれていたのは年長児向けの長い物語の絵本だけ。最初は興味を示したものの、すぐに飽きてしまい、うろうろと歩き回り始めてしまう双子たち。
なんとか膝の上で落ち着かせましたが、夫婦そろって不安が募っていきました。
歯科衛生士さんの講話で混乱
やがて番号順に別室へ移動し、「虫歯になりやすい食べ物」についての歯科衛生士さんの講話がスタート。予想どおり、多くの子どもが飽きてしまい、泣き出したり、動き回ったりし始めました。
中には、わが子が会場を走り回っていても止めずに放置している保護者もおり、それにつられて立ち歩く子どもも増えていきました。
わが子もその流れにつられそうになり、夫と交代で制止していましたが、ついに私の元を離れて男の子のほうへ向かっていってしまったのです。
すると突然、歯科衛生士さんがマイクで、
「そこのお母さん、お子さんが走っているのに無視しないで止めてください」
と、私に向かって注意しました。
周囲にも動き回っている子はいたので、私も同じように注意していたつもりなのですが、たまたまわが子が目立ってしまっていたのか、私だけが直接指導されてしまったのです。
戸惑いを感じながらも仕方なく最終手段としてスマホで動画を見せると、双子たちはようやく静かになってくれましたが、夫と顔を見合わせながら、私は何とも言えない気持ちになりました。
やっと終わった!こんなに疲れるなんて…
講話が終わると、次は歯の検査。双子たちはすでにグズグズし始めていましたが、普段から定期的に歯医者に通っているおかげか、診察台に寝転ぶのも嫌がらず、無事に検査を受けることができました。
歯科医の先生からは「しっかり磨けていますね」と褒めてもらい、ホッとひと安心。受付から歯の検査まで、実際には1時間ほどしか経っていなかったのですが、倍以上に感じるほどの疲労感でした。
帰りの車に乗り込むと、双子たちは珍しくすぐに眠ってしまいました。その寝顔を見ながら、「頑張ったのは、私たち親だけじゃなく、子どもたちも同じだったんだよね」と、改めて感じたのでした。
次回の健診は、もう少しスムーズに終わることを願うばかりです……。
著者:野中 まゆ/30代女性。2022年生まれの男女双子の母。13年保育士として勤務。出産を機に退職し、現在は保育士経験や自身の子育て体験をもとに、在宅で執筆業務をおこなっている。
イラスト:ななぎ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)