
温泉やプールが気軽に楽しめない理由
私は現在小学4年生の息子と4歳の娘を持つシングルマザーです。親子そろって温泉とプールが大好きなので、よく遊びに行っています。
離婚して元夫と別居を始めたのは、息子が4歳のころ。異性が同じ更衣室に入れるのは6歳までというルールがあるため、小学生になると、私は息子を温泉やプールなど着替えが必要な場所に連れていけなくなってしまいます。
そこで、6歳になるまでにロッカーの使い方やマナーを覚えさせようと、区民プールに何度も通い、息子と一緒に練習することに。
着替え自体はできるようになったものの、場所が変わると更衣室から温泉やプールへの入り口がわからなくなってしまったり、保護者の目が届かないことでトラブルが起きる可能性もあったりして、ひとりで男子更衣室を利用させるのはまだ難しいと感じました。
行き慣れている区民プールでは問題ありませんが、大型の温泉施設や民間のプールとなると勝手が違います。大人の目がないと利用が難しく、付き添ってくれる成人男性がいない限り、しばらくはそうした場所に行くのは難しいと諦めていました。
息子は大好きなプールに行きたがっていましたが、「お母さんひとりでは連れて行けないから、ごめんね」と謝るしかありません。もう少し息子が成長して、自分で着替えて現地で合流できるようになるまで、数年間は行けないと覚悟していたのです。
救世主が現れた!
そんなある日、長年付き合いのある友人グループと一緒に遊びに行く機会がありました。みんな息子が小さいころから家族ぐるみでよく遊んでいて、わが家の事情もよく知っています。
そのとき、男性の友人たちが「更衣室で息子くんを見ておくよ!」と申し出てくれ、息子を連れてプールへ遊びに行けることに。彼らはパパになったばかりだったり、まだ独身だったりと、子どもの世話にはあまり慣れていない様子だったので、少し申し訳ない気持ちもありました。けれど当日は、息子が楽しく過ごすことができ、特にトラブルもなくホッとしました。
帰りに友人に「迷惑じゃなかった?」と聞くと、「息子くんと遊ぶの好きだよ。いい子にしてたし全然大丈夫!」とうれしい言葉。以降、毎年一緒に温泉やプールに出かけるようになりました。
また、私の両親と旅行へ行く際は、父が息子に付き添ってくれるようになり、一緒に楽しめるように。子ども好きな父ですが、小さい子のお世話には不慣れなため、未就学のうちは預けるのをためらっていました。
しかし、小学生になった今では身支度も自分でできるようになり、父は「引率だけなら」と快く引き受けてくれます。今では楽しみのビールを後回しにして、息子と一緒にプールで遊んでくれています。
周りの厚意に支えられて…
「大好きなプールや温泉に息子を連れていけなくなるかもしれない」ということは、離婚を決意したときに私が心配していたことの一つでした。けれど、友人や家族の支えのおかげで、思っていたよりずっと前向きに乗り越えることができました。
むしろ、育児に非協力的だった元夫は、プールに付き添ってくれることはなかったので、離婚後のほうが遊びに行く機会が増えたほどです。協力してくれる人がいるからこそ、子どもたちにたくさんの楽しい経験をさせてあげられていると実感しています。
離婚前は離婚後の生活がどうなるのか見通しが立たず、不安でいっぱいでした。しかし、いざ離婚してみると、助けてくれる人たちのおかげで、子どもたちと穏やかで充実した毎日を送れています。これからも、周囲への感謝と恩返しを忘れずに暮らしていきたいと思います。
著者:おおとり みなと/30代女性。2015年生まれの長男、2020年生まれの長女をもつシングルマザー。自身と息子に発達障害があり、毎日やらかしながらもにぎやかに楽しく暮らしている。在宅でWebデザインやライティングなどの仕事をしつつ、最近は手芸熱が高まっている。
作画:おはな
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)