【手延べVS機械】作り方がまったく違った!
味や値段を大きく左右するのが、そうめんの製法。「手延べ」と「機械製麺」の違いを見ていきましょう。
職人さんが時間をかけて作る「手延べそうめん」
高級品のほとんどは「手延べ」という伝統的な方法で作られています。
小麦粉に食塩と水を加えて生地を作り、のばして重ねて、またのばして……という作業を何度も繰り返しながら、細いそうめんに仕上げていきます。
このとき、生地の中では「グルテン」の網目状の構造ができていて、これが弾力や粘りのもとに。
のばして重ねる工程を繰り返すことで、このグルテンの網目が細かく均一になり、しっかりしたコシとなめらかな食感が生まれるんです。
手間も技術も必要なため大量生産は難しいですが、そのぶん味は格別です。
大量生産でリーズナブルな「機械製麺」
一方で、お手頃なそうめんは「機械製麺」が主流。生地をローラーなどで薄くのばし、細く切って作ります。
短時間で大量に作れる反面、手延べと比べるとコシは控えめ。
うどんやラーメン、そばなどは、手打ちでも機械でも切って作りますが、そうめんの場合、手延べは”伸ばす”、機械は”切る”と、製造方法がまったく違います。
だからこそ、商品によって味の差が大きく出てしまうんです。
小麦の質も味の決め手
製法だけでなく、使われている小麦粉の質も重要なポイント。
高級そうめんでは、品種や産地にこだわった小麦粉が使われていることが多く、風味やなめらかさに差が出ます。
逆に、お手頃なそうめんはコストを抑えるため、安価な小麦粉が使われていることも。
また、製粉時の「等級」(一等粉・二等粉など)も品質の差につながります。等級が高いほど不純物が少なく、なめらかな口当たりが楽しめます。
アレンジするなら安いそうめんもアリ!
安いそうめんは買っちゃダメ?と思うかもしれませんが、そんなことはありません。価格を抑えた分、たっぷり使えるのが大きなメリット。
食べ盛りの子どもがいる家庭には大助かりです。
ビビン麺風や豆乳担々麺風など、濃い味付けにするなら、そうめんの味がイマイチでも気にならないはず。
そうめんチャンプルーやにゅうめんといった、温かいメニューのときもコシのなさを誤魔化せそうです。
ただし、小麦の香りやのど越し、口当たりの良さは値段に比例するので、シンプルにめんつゆで食べるなら、高めのものを選ぶのがおすすめです。
実際に食べ比べてみた!
定番中の定番「揖保乃糸(6束)」375円(税込)と、6束入り格安そうめん108円(税込)を食べ比べてみました(※SNSで話題になった格安そうめんとは別のメーカーです)。
安い方はやわらかくてのど越しがイマイチ。マズくて食べられない……ってほどではありませんが、正直2口目が進みません。
揖保乃糸はプツンと切れるような歯応えがあり、舌触りがなめらかです。
めんつゆをちょっとしかつけなくても、小麦の風味がしっかりして美味しい!
初めて2種類のそうめんを食べ比べて、ここまで大きく変わるのかとビックリしました。
違いがわかると楽しくなる!
そうめんの値段は製造方法や小麦粉の質によって変わります。
一度、ちょっとお高めのそうめんを買って食べ比べてみると、「あ、これか!」と違いがわかって楽しいかもしれません。