メモを貼っても夫が食べてしまうことが続き、私は心身ともに疲れきっていました。そんな私の様子を見て、小学5年生の娘が自主的に家事を手伝ってくれるようになり、今ではすっかり料理に夢中です。最近ではお菓子作りにも興味を持ち、毎日のように動画を見ては熱心に研究しています。
先日も、娘はケーキ作りに挑戦しました。出来上がったケーキは冷蔵庫で大切に保管していたのですが……なんと、夫がいつものように勝手に食べてしまったのです。
手作りケーキが消えた!?娘の問いかけに…
私から娘への謝罪を求められた夫は、「メモが貼ってなかった」と開き直り、自分は悪くないと強く主張してきました。わが家のルールを守らなかった娘が悪いと言い出す始末。
せめて「おいしかったよ」と言ってあげてほしいと頼んだところ、「それは言えない。正直な感想を伝えないと娘が成長しない」なんて言い出して……。大人げないにもほどがあります。おそらく、自分が謝りたくないだけなのでしょう。
その日、学校から帰ってきた娘は、真っ先に冷蔵庫へ向かいました。そして、ケーキがなくなっていることに気づいたのです。娘はすぐに、家にいた夫を怪しみましたが……。
「私が作ったケーキ、パパが食べたの?」
「みんなで食べたかったのに……」
すると、夫は娘に対してとんでもない暴言をはきました。
「いや、グチャグチャだったし」
「残り物かと思った」
娘が見た“父の裏の顔”に母は…
父親のあまりにもひどい態度に、娘は怒り、そして嘆いていました。何でも人のせいにし、いい年をして謝罪すらできない夫に、娘はあきれて大きくため息をついたら……。その様子を見た夫が「生意気だ!」と娘を非難。ついに娘はブチ切れ、自室に閉じこもってしまいました。
リビングを飛び出すとき、娘はこう言い残しました。「私はパパの秘密を知ってる」「謝っても絶対に許さないから!」と。その後、私が様子を見に行くと、娘はいろいろと胸の内を話してくれました。「もうパパなんていらない」「離婚したほうがいい」とまで言い出したのです。そしてこう続けました。「ママがパパの秘密を知ったら、きっと離婚したくなるよ」と。
その後、娘が教えてくれた“ある事実”に私は言葉を失いました。そして離婚を決意し、すぐに娘と2人で実家へ戻りました。私たちがいないことに気づいた夫から電話がかかってきましたが、彼は「ケーキを食べただけで家出なんて大げさだ。そんなことくらいで怒るな!」と言ってきて……、さらに火に油を注ぐことに。
私は、娘が見た「夫の秘密」を突きつけることにしました。娘は、塾の帰りに夫の不倫現場を偶然目撃していたのです。最初は「娘がウソをついている」と否定していた夫も、証拠の写真を送るとしどろもどろに。写真には相手女性の顔もしっかり写っており……、すぐに“元カノ(既婚者です)”だとわかりました。
娘が守ろうとした家族…私たちの決断は
当初、娘は夫の秘密を私に打ち明けるつもりはなかったそうです。「家族がバラバラになるのは嫌だったから」と……。それでも、あんまりな父親の態度に失望し、積み重なってきたものが爆発したようです。「こんな父親なら、いないほうがマシ」とまで話してくれました。娘にそんな思いをさせていたなんて――本当に胸が痛みました。
夫はあわてて謝罪し、「不倫相手とは別れる」と言ってきましたが、私の我慢はすでに限界を超えていました。今さら謝罪など意味がなく……。これまでは「食い意地の張った人」くらいに思っていましたが、まさか外でも“つまみ食い”していたとは……本当にあきれました。
その後、私たちは離婚し、親権は私が持つことに。夫からは慰謝料と養育費をきちんと受け取り、今は娘とふたりで穏やかな毎日を過ごしています。料理の腕をどんどん上げている娘は、本当に頼りになる存在です。
◇ ◇ ◇
夫は家族という存在に甘えていたのかもしれませんが、「家族だからこそ」敬意と誠意を持って接することが家庭円満の秘訣かもしれません。これまでの自分の行動をしっかり反省してほしいですね。
【取材時期:2025年4月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。