仕事をしない社長の親族
社長が交代し、経営陣も一新。社長の甥が新たな課長に任命されました。それに伴い、前社長に見込まれて課長を任されていた私は、役職を奪われてしまったのです。
おまけに新課長は、まったく仕事をしません。仕事には興味すらなく、そのせいで社員の退職が相次ぎ、職場は人手不足に陥りました。
そんな中、新入社員が入るという吉報が。わずかな期待を抱いた私でしたが、やってきたのはなんと、社長の息子・A男でした。
「よろしくぅ~」と軽い態度で現れた彼もまた、まるで仕事をする気がない人物で、「この動画サイコー!」と勤務中にゲーム動画を見ては大笑いしているのです。
仕事を丸投げするA男
A男は仕事を教えようとする私に、「そんなことわかっていますよー」と豪語。しかし実際はまったく理解できておらず、ミスを連発します。
挙句には、「俺は次期社長。雑用はお前がやれ」と丸投げしてくる始末。課長に訴えても「アイツの面倒は君が見てくれ」と取り合ってくれません。
最後の手段と思って社長に直談判するも、「忙しいから」と後回しに。このままでは自分の仕事が進まないため、私は仕方なくA男をフォローしつつ、これまで以上に多くの業務をこなしていました。
大手取引先「今後一切契約はしない」
そんなある日、A男が例のごとく私に命令をしてきました。
「お前は倉庫を整理していろ。重要な案件は俺がやってやる!」
そして、重要な大手取引先であるB社向けの資料を、自ら作成すると言い出したのです。ところが、A男はすぐに飽きてサボり始め、資料作成を放棄。期限前日になって「お前がやれ!」と丸投げされ、私がメモ通りに資料を作成して提出するはめになりました。
すると翌日、なんと先方から「今後一切契約はしない」とメールが届き、課長とA男はパニックに。そして、私に責任を転嫁しようとしたのです。
「お前、どんな資料を作ったんだ! 怒らせたのはお前のせいに違いない!」
実はB社の社長は…
私は冷静に、A男が残したメモと途中で投げ出した資料、私が作ったバージョンの資料を比較。さらに、A男が先方と交わしていたメールやメッセージを照査して、原因が私ではなく、A男のメモミスと中途半端な作成が問題だったことを立証しました。
するとそのとき、B社の担当者がわが社に来訪! 間髪おかず、A男と課長が「この女性社員が作った資料のせいで……」と言い訳を始めましたが、その担当者はきっぱり宣言しました。
「先ほどメールでもお伝えしましたが、御社との取引は終了。彼女はわが社に引き抜かせてもらいます。いいだろ姉さん?」
そう、B社の担当者は私の弟。さらに、私たちの祖父はB社の社長なのです。
「そろそろ潮時かな……。ここの会社の前社長に恩義があったから、降格されても残っていたけれど。もう私がいても無意味なようなので、退職させていただきます」
私の新たなスタート
「B社の社長の孫!?」
A男と課長は慌てて謝罪してきましたが、時すでに遅し。前社長が他界してから2年、私は新社長のやり方にすっかり愛想をつかしていました。今回のことは、いいきっかけだったのです。
こうして、B社という大手取引先を失った彼らは、あっという間に経営不振に。
一方の私はB社に転職。ただ、社長の親族だからといって、特別扱いは一切なし。真面目に業務をこなし、いつか実力で責任ある立場になれたらと頑張っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!